夢の店番
起きてリビングに行くと、13:35だった。
昨日のラーメン美味しかったなぁと思いだし、又行きたいと思った。
「おはようにゃ!」
「おはようユメちゃん」
「ユメちゃんおはようございます!」
「すぐお昼ご飯だから一緒で良い?」
「一緒で良いにゃ。何作ってるにゃ?」
「夏野菜カレーと、青椒肉絲と、クッキーね」
「クッキーにゃ?」
クッキーもランチに出すのかな?
「はい。これ、ユメちゃんの分です!」
リラが綺麗な花のお菓子をくれた。
良い匂いがする。
「クッキーにゃ? 凄いにゃ! ブローチみたいにゃ!」
「リラちゃんが作ったのよ」
「リラ凄いにゃ! ユリみたいにゃ!」
「えへへ」
リラは凄いものを作ったようだ。
そのうち、ユリみたいに何でも作れるようになるのかな?
お客さんのランチが終わる頃にソウと大人が来た。
リラは二人にも綺麗なクッキーを渡していた。
リラが凄く誉められていて、何だか嬉しい。
ユリがなにを食べるか聞いてきたけど、珍しくリラが違うものを主張していた。
あれ?あ!ピーマンの臭いがする!なるほど!ソウが言った料理はピーマン入りだな?
とっさにリラと同じものを頼んでおいた。
せっかく上手にごまかしたのに、ソウが余計なことを聞いてきた!
「なんだ、ユメ、リラ、ピーマン苦手なのか?」
ここで嫌いと言ったらソウに笑われるかもしれない。
明確に答えずにいたら、なんとユリが恐ろしいことを言った。
「あら、そうなの? でもごめんなさい。両方ピーマン入ってるわ。」
なん、だと・・・。
ちらっとリラを見ると、やっぱり驚いている感じだった。知らなかったらしい。
ユリはよそいながらピーマンを避けているようだった。それでも少しは入っている。
そして、なんとリラはカレーのピーマンは食べられるらしい。
ピーマンは、ピーマンであって、美味しくはならないのに。
頑張って飲み込んだけど、喉の奥にピーマンの味と臭いが残って辛かった。
なんとか食べきり、急いで口直ししないと!
「アイス食べるにゃー!」
「どうぞー。抹茶と紫芋よ」
全員分のアイスクリームを厨房の冷凍庫から取ってきた。
アイスクリームとリラがくれたクッキーを食べて、口の中が美味しいでいっぱいになった。
幸せだ。
ユリは、リラに値段の紙を書くように言っていた。あのクッキーは、りらのはな と言うらしい。
ソウたちは食べ終わるとすぐに出掛けていった。
ユリはまだ仕事をするみたいなので、手伝うことにした。
なにか作ってくれるらしいので、黒糖パウンドケーキを頼んでおいた。
ユリはすぐに作り始めた。
他に誰もいないからユリに色々聞いてみても良いかな?
不思議だったことを教えてもらおう。
まずは、お砂糖について聞いてみた。
ユリは色々詳しく教えてくれた。
白いお砂糖も茶色いお砂糖も、同じものからできていると言うのは驚きだった。
お塩も色々あって、おもしろかった。
「さあ、これを焼けば黒糖パウンドケーキができるわよ」
あ、パウンドケーキの作り方をちゃんと見ておけば良かったな。
焼いている途中でリラが帰って来たけど、すぐに休憩室に戻って、書きましたー!て、また帰ってきた。
何かリラは、ちゃんと休憩しなさいって。ユリに怒られていた。
リラが怒られるなんて珍しい。
今日は、すぐにお店がいっぱいにならなかった。
ユリは、リラにクッキーを作って良いと言っていたので、手伝うことにした。何か面白そうだ。
ユリは胡麻とか小さい粒とか違う色のクッキーの素とか色々出してきて、リラに使っても良いと言っていた。
リラがクッキーの色のリクエストをすると、ユリは早速作るらしい。
クッキーの卵を白身だけで作ると、白っぽいクッキーが出来上がると言っていた。
この後に、青っぽい色の粉を出してきて、クッキーに混ぜるらしい。
お茶にする粉だと言うので、ユリがパウンドケーキを釜から出しに行った隙に少しなめてみたら、ユリに見つかってしまった。
煮豆の皮みたいな味だった。
後でふと指をみたら青くなっていてビックリした。
リラに教えてもらいながらクッキーを作った。
綺麗な花のクッキーが簡単に作れておもしろかった。
楽しくクッキーを作っていたら ユリが、全部売れちゃった!と言っている。
リラ凄い!ユリがお店にいてリラが作ってる、いつもと反対だ!
リラは急いでクッキーを作っていたけど、足りなくなってきてユリに頼んだ。
ユリがクッキーの素を作り、リラがお店に行ったので、ユリを手伝った。ユリは6種類も作っていた。
クッキーの素が出来上がると、ユリはクッキーを焼き始めた。
それならリラがこっちにいる方が良いと思う。
リラとかわろう!
ユリにお店に行くと言って、リラを呼びに行った。
「リラ、交代にゃ!」
リラに声をかけ、リラには作る方に戻ってもらった。
熱いお茶を注文されたらどうしようと思っていたけど、アイスクリームと冷たいお茶と、クッキーしか注文がないので、思ったより簡単だった。
思ったよりクッキーが良く売れる。
残っていたクッキーが全部売れてしまい、今作ってると言ったら、出来上がりを待つと言うので、ユリに伝えに行った。
「5分待ってもらって」
待ってる人に「5分待つのにゃ」と伝えると、笑いながら「待ってますよ」と言っていた。
するとユリが来て、「とりあえず何個あれば良いの?」と聞かれた。
一度に何個出来上がるのか聞かれたときに、20個だと思うと言ったら、全部欲しいと言われたのだ。
ユリはバタバタと慌てて厨房に戻っていった。
「お待たせしました。リラの華です」
ユリが急いで持ってきてくれた。
そのあとも、リラのクッキーは良く売れた。
お店で食べる人はいなくて、みんなお土産で買って帰る人ばかりだった。
次回は9月20日13時の予定です。




