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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇少女ユメ◇

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夢の店番

起きてリビングに行くと、13:35だった。

昨日のラーメン美味しかったなぁと思いだし、又行きたいと思った。


「おはようにゃ!」

「おはようユメちゃん」

「ユメちゃんおはようございます!」

「すぐお昼ご飯だから一緒で良い?」

「一緒で良いにゃ。何作ってるにゃ?」

「夏野菜カレーと、青椒肉絲(チンジャオロースー)と、クッキーね」

「クッキーにゃ?」


クッキーもランチに出すのかな?


「はい。これ、ユメちゃんの分です!」


リラが綺麗な花のお菓子をくれた。

良い匂いがする。


「クッキーにゃ? 凄いにゃ! ブローチみたいにゃ!」

「リラちゃんが作ったのよ」

「リラ凄いにゃ! ユリみたいにゃ!」

「えへへ」


リラは凄いものを作ったようだ。

そのうち、ユリみたいに何でも作れるようになるのかな?


お客さんのランチが終わる頃にソウと大人が来た。

リラは二人にも綺麗なクッキーを渡していた。

リラが凄く誉められていて、何だか嬉しい。


ユリがなにを食べるか聞いてきたけど、珍しくリラが違うものを主張していた。

あれ?あ!ピーマンの臭いがする!なるほど!ソウが言った料理はピーマン入りだな?

とっさにリラと同じものを頼んでおいた。


せっかく上手にごまかしたのに、ソウが余計なことを聞いてきた!


「なんだ、ユメ、リラ、ピーマン苦手なのか?」


ここで嫌いと言ったらソウに笑われるかもしれない。

明確に答えずにいたら、なんとユリが恐ろしいことを言った。


「あら、そうなの? でもごめんなさい。両方ピーマン入ってるわ。」


なん、だと・・・。


ちらっとリラを見ると、やっぱり驚いている感じだった。知らなかったらしい。


ユリはよそいながらピーマンを避けているようだった。それでも少しは入っている。


そして、なんとリラはカレーのピーマンは食べられるらしい。

ピーマンは、ピーマンであって、美味しくはならないのに。


頑張って飲み込んだけど、喉の奥にピーマンの味と臭いが残って(つら)かった。

なんとか食べきり、急いで口直ししないと!


「アイス食べるにゃー!」

「どうぞー。抹茶と紫芋よ」


全員分のアイスクリームを厨房の冷凍庫から取ってきた。

アイスクリームとリラがくれたクッキーを食べて、口の中が美味しいでいっぱいになった。

幸せだ。


ユリは、リラに値段の紙を書くように言っていた。あのクッキーは、りらのはな と言うらしい。


ソウたちは食べ終わるとすぐに出掛けていった。


ユリはまだ仕事をするみたいなので、手伝うことにした。

なにか作ってくれるらしいので、黒糖パウンドケーキを頼んでおいた。


ユリはすぐに作り始めた。


他に誰もいないからユリに色々聞いてみても良いかな?

不思議だったことを教えてもらおう。


まずは、お砂糖について聞いてみた。

ユリは色々詳しく教えてくれた。

白いお砂糖も茶色いお砂糖も、同じものからできていると言うのは驚きだった。

お塩も色々あって、おもしろかった。


「さあ、これを焼けば黒糖パウンドケーキができるわよ」


あ、パウンドケーキの作り方をちゃんと見ておけば良かったな。


焼いている途中でリラが帰って来たけど、すぐに休憩室に戻って、書きましたー!て、また帰ってきた。

何かリラは、ちゃんと休憩しなさいって。ユリに怒られていた。

リラが怒られるなんて珍しい。


今日は、すぐにお店がいっぱいにならなかった。


ユリは、リラにクッキーを作って良いと言っていたので、手伝うことにした。何か面白そうだ。

ユリは胡麻とか小さい粒とか違う色のクッキーの素とか色々出してきて、リラに使っても良いと言っていた。

リラがクッキーの色のリクエストをすると、ユリは早速作るらしい。


クッキーの卵を白身だけで作ると、白っぽいクッキーが出来上がると言っていた。

この後に、青っぽい色の粉を出してきて、クッキーに混ぜるらしい。


お茶にする粉だと言うので、ユリがパウンドケーキを釜から出しに行った隙に少しなめてみたら、ユリに見つかってしまった。


煮豆の皮みたいな味だった。


後でふと指をみたら青くなっていてビックリした。


リラに教えてもらいながらクッキーを作った。

綺麗な花のクッキーが簡単に作れておもしろかった。

楽しくクッキーを作っていたら ユリが、全部売れちゃった!と言っている。

リラ凄い!ユリがお店にいてリラが作ってる、いつもと反対だ!


リラは急いでクッキーを作っていたけど、足りなくなってきてユリに頼んだ。

ユリがクッキーの素を作り、リラがお店に行ったので、ユリを手伝った。ユリは6種類も作っていた。


クッキーの素が出来上がると、ユリはクッキーを焼き始めた。

それならリラがこっちにいる方が良いと思う。

リラとかわろう!


ユリにお店に行くと言って、リラを呼びに行った。


「リラ、交代にゃ!」


リラに声をかけ、リラには作る方に戻ってもらった。


熱いお茶を注文されたらどうしようと思っていたけど、アイスクリームと冷たいお茶と、クッキーしか注文がないので、思ったより簡単だった。


思ったよりクッキーが良く売れる。

残っていたクッキーが全部売れてしまい、今作ってると言ったら、出来上がりを待つと言うので、ユリに伝えに行った。


「5分待ってもらって」


待ってる人に「5分待つのにゃ」と伝えると、笑いながら「待ってますよ」と言っていた。

するとユリが来て、「とりあえず何個あれば良いの?」と聞かれた。


一度に何個出来上がるのか聞かれたときに、20個だと思うと言ったら、全部欲しいと言われたのだ。


ユリはバタバタと慌てて厨房に戻っていった。


「お待たせしました。リラの華です」


ユリが急いで持ってきてくれた。

そのあとも、リラのクッキーは良く売れた。

お店で食べる人はいなくて、みんなお土産で買って帰る人ばかりだった。

次回は9月20日13時の予定です。

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