夢の苺乳
ユリは魔法を教えるのを一段落させて、仕事を再開していた。
イリスとマーレイが来たので、リラはユリを手伝うらしい。
クッキーを任されたので、頑張ろう。
キボウも、機嫌良くクッキーを手伝っている。
ソウは仕事の話をするらしく、サエキと二人で店に残った。
イトウだけが厨房を見に来て、暇そうにしているところ、ユリから仕事を頼まれていた。
立っているものは親でも使えってやつだろうか。
「人口密度が高いですわね」
「人数的には、(5年と)二月前と変わらないわよ?」
うろうろしているイトウが邪魔らしく、カエンが珍しく苦情を申し立てていたけど、ユリにはあまり伝わらなかったみたい。
するとユリは、イトウを食事に誘っていた。
その後、イトウは真面目に手伝いを始めたので、ユリの対処は正しかったらしい。
「ユメちゃん、もう少しで規定の数になりますけど、キボウ様にお渡しするのを取り止めますか?」
「少しくらいならずれても大丈夫にゃ。キボウが乗っているときは、そのまま頼んでなのにゃ」
「かしこまりました」
イリスが心配して確認してきた。
キボウなしのクッキーはいつでも作ることができるけど、キボウが時送りしたクッキーはキボウがいないと作れないので、キボウの気分に任せて良いとユリがいっていたのだ。
ユリが声をかけていた。
「さあ、一旦手を止めて、お昼ご飯の用意を始めましょう。リラちゃん、チューリップ揚げる?」
ユリがお昼ご飯を作ると言ったら、キボウはクッキーをやめて、ユリを見に行ってしまった。
「大体、数が合ったにゃ」
「本当ですね」
イリスとマーレイと3人で笑った。
キボウが時送りをして、判子だけ押していないものを、混ざらないうちにスタンプしておいた。
残りのクッキーを仕上げていると、ユリが好きな飲み物をどうぞと言い出した。
マーレイがニコニコしてジンジャーエールを作っていたのが印象的だった。イリスはリラに同じもの作ってと頼んでいて、私はカエンと一緒に、イチゴミルクを作った。ユリはサファイアソーダを3つ作ったあと、自分用に、メニューにないものを作っていた。
え!好きな飲み物って、本当に、好きにしてよかったの!?
どうやら、みんなも思ったらしく、リラが特に悔しがっていた。なに作りたかったんだろう?
そっとリラに聞きに行くと、ユリのところにしか、強い炭酸がないので、黒蜜炭酸とか、紅茶炭酸とか、作ってみたかったらしい。
「リラ、黒蜜炭酸は飲んだことないけど、紅茶炭酸はあまり美味しくないにゃ」
「ユメちゃん、飲んだことあるんですか!?」
「売っているのを飲んだにゃ。すぐに発売終了になってたにゃ」
「そうなんですね」
リラと話していると、ユリがチューリップ唐揚げの数をソウと話していた。
「ソウ、チューリップ唐揚げは、一人何個の想定なの?」
「え?10個くらい食べない?」
「ソウには10個出すわ。皆さんには5個出すけど、足りなければおかわりがあります」
出来たものを見たけど、あれ10個も食べるの?グラタンとケーキもあって、飲み物まで有るのに、無理じゃないかなぁ。
リラが、イチゴサンタの乗ったケーキを出していた。
キボウは特別メニューらしく、チューリップ唐揚げの代わりがブロッコリーの唐揚げで、グラタンには、ハムが入っていないらしい。
並んだ料理をみて、イトウが騒ぎだした。
「うわ!サンタクロース! なにこれ?イチゴでできてる? あ!今日って、クリスマスイブか!!」
「そうですね。明日クリスマスですが、お店休みなので」
「それで、ケーキとチキンなのか!!」
指で作った四角い窓から、楽しそうにケーキを覗いていた。そのあとも、ユリに色々質問していて、ソウが睨んでいたけど、全く気にしていないらしく楽しそうだった。
「夏には梅ジュースや赤紫蘇ジュースも作りますよ」
「又その頃に訪問しても良いだろうか?」
「ソウが良いって言えば、いつでも良いですよ」
「ありがとう」
ソウ、許可出すのかなぁ?
見送りに出たユリの横から、外に並んでいる列が見えた。
「ユリ様、休憩は交代制にして、お店始めませんか?」
「今日はしょうがないわね。みんな確実に合計30分は、休んでくださいね」
「はい」「はいにゃ」「はい」「はい」「了解」「はい」
「今日のメニューです。有るものは売るがテーマです」
リラが提案して、みんな返事をしていた。
今日のメニューは、あるもの全部らしい。




