夢の鳥肉
お店はまだ忙しいけれど、厨房はもう仕事がほとんど片付いたらしい。
のんびりした雰囲気で、ユリが何か作っていた。
追加注文はもう出ないけれど、持ち帰り注文が結構忙しい。
冷蔵庫にある今日のケーキや、生チョコを紙袋に入れ、せっせと渡していた。
厨房に寄ったとき、ユリの声が聞こえた。
「苺の帽子の部分は、水平に切ってね」
苺のぼうし?
「何作ってるにゃ?」
リラの手元を見に行った。
「サンタイチゴです」
苺でできたサンタクロースの飾りだった。
「リラ、サンタ知ってるのにゃ?」
「ユリ様が、子供の枕元にプレゼントを配る伝説の人と説明してくださいました!」
その説明でリラは納得したの?
あれ? これ配るのかな?
「ユリ、明日何か配るのにゃ?」
「ケーキと唐揚げを配ろうかと思ってるわ」
やっぱり配るんだ。え? 唐揚げ?
「何で唐揚げにゃ?」
「フライドチキンは、骨入りで食べる人が面倒かと思って」
「ターキーじゃないのにゃ?」
川井翼だったとき、クリスマスはケーキとターキーだった。
「私が子供の頃は、フライドチキンだったのよ」
ユリは子供の頃、家が料理屋だったといっていたから、ユリのお母さんが作ったのかな?
(作ったのは、ユリの父である)
「わたくしのところは、鶏モモ肉のソテーでございました」
カエンは誰が作っていたのかな?
(10歳頃まではとても大事にされていたので、屋敷の調理人である)
「俺の家は、チューリップの唐揚げだったなぁ。ただいま」
ソウは、あの養父母が作ったんだろうなぁ。って、花?
「花にゃ?」
「ソウ、おかえりなさい。ユメちゃん、チューリップって言うのは、鶏手羽を加工して作る唐揚げの名前よ。見た目が花のチューリップみたいなのよ」
へぇ。何か面白そう!
「ユリ、それ作ってにゃ!」
「私も食べてみたいです!」
リラも乗っかってきた。
「俺も久しぶりに食べたいなぁ」
「わたくしだけ食べられないではありませんか!」
「カエン、明日も来るか?」
「よろしくお願いします」
カエンは明日も来るらしい。
私は仕事の続きをして、持ち帰り分を渡したり、店を片付けたりしていた。
「イリス、明日はケーキと唐揚げを配るらしいにゃ」
「そうなのですか!?」
「たった今話していたにゃ」
「ユメちゃん、明日、早く来た方が良いでしょうか?」
「明後日から休みにゃ。又並ぶのかもしれないにゃ」
「なるべく早く来るようにいたします」
「無理はしない方が良いにゃ。来年は、私は手伝えないかもしれないにゃ。イリス、ごめんなのにゃ」
「ユメちゃんが謝ることではありません」
「明日もよろしくなのにゃ!」
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」




