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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇少女ユメ◇

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夢の送迎

今日は、ユリがお菓子を教えに行く日なので早く起きた。

ユリはすっかり支度が終わっていて、ソウも出かけた後だった。


「おはようにゃ」

「あ、ユメちゃんおはよう」

「何してるにゃ?」

「今日持って行く物を確認しているのよ」


ユリは箱に入ったものを数えたりしていた。

色つきココットの他、同じ箱が16個もある。


「よし、これで全部ね。あ、ユメちゃん 何か食べる?」

「まだ要らないにゃ」

「じゃあ、パウンドケーキ持っておく?」

「そうするにゃ」


ユリはカットしたパウンドケーキを2つくれた。

少しくすると、大人が迎えに来た。

ユリは少し話をしてから荷物を頼んでいた。

16個の箱とココットを乗せると座席がいっぱいだった。


出発し、今日は何を作るのかと聞くと、パンプキンプリンだと教えてくれた。とっても楽しみだ。


それにしても狭い。

どうやらこの箱の荷物は、挽き肉を作る器械らしい。

ふと見ると、紙の束があった。

4束あって、全部同じ物に見える。

ユリに聞くと、ハンバーグのソースのレシピと、アレンジメニューのレシピだと言った。


内容を聞くと、とても美味しそうだったので、今度作って欲しいと頼んでおいた。


到着すると、ユリは ローズマリーと何か話をしていた。

大人と一緒に箱を下ろしてもまだ話していたので、何の話をしているのかなとそばに行くと、どうもリラの事を話しているようだった。


あのおばちゃんが、またリラに意地悪するかもしれないのか?


「サリー、ユリ様の御者に、娘を迎えにいくよう伝えなさい」

「かしこまりました」


よし、一緒に行って説明しよう。

サリーと呼ばれるいつも手伝ってくれる女の人について行った。


おじさんがいっぱいいる部屋に、大人はいた。

そばまで行き、話しかけた。


「意地悪なおばちゃんが来るから、リラが危ないってユリが言ってるにゃ」

「ユリ様が、心配されていらっしゃいますので、奥さまより、娘さんを迎えに行くよう言付かって参りました」


「あ、ありかとうございます。ではすぐにでも」


大人は走っていこうとして、止められていた。


「早荷用の馬車ですが、子供なら一緒に乗れるでしょう。こちらをお使いなさい」


いつもパープル侯爵と一緒にいるおじさん(執事)だった。


「ありがとうございます。領主様と奥方様へ感謝を、」

「わかったから、とにかく早く行きなさい」

「急いで娘をつれて参ります」

「はい、気をつけて」


大人を見送った。


「サリー、奥様に報告を」

「かしこまりました」


急いでユリのところに戻った。


「説明したにゃ!すぐに来るにゃ!」

「ユメちゃんありがとう」


「ローズマリーさん!ありがとうございます!」


ユリは嬉しそうにお礼を言っていた。



ユリは新しい生徒を紹介されていたので、いつもの高い椅子に座って、持ってきたパウンドケーキを食べることにした。


「ユメ様、よろしければミルクをどうぞ」

「ありがとにゃ」


サリーがコップにミルクをくれたので、お礼を言って受け取った。



みんな色々量ったり用意をしていた。

パウンドケーキを食べ終わり、ミルクも飲み終わると、サリーがコップを受け取りに来てくれた。


いつもニコニコして教えているユリが、今日は何だかため息をついていた。

どうしたんだろう?


「わたくしが器を洗うんですの!?」


何か騒いでいるのがいた。

ユリは呆れたように又ため息をついていた。

あの騒いでいるのがユリに迷惑をかけているんだとわかった。


良く見ていると、他の人と作り方が違って、時間がかかっていた。


ユリが、牛乳を温めてください。誰か見ていないと吹き零れますよ。と声をかけていたのに、騒いでいた二人は吹きこぼしていた。


他の人は、みんな大事そうに作っているのに、なんだか、嫌々作っているように見えた。


そのあとも、他の人と違う作り方で、時間がかかっていた。


又、ユリがため息をついた。

いつもニコニコのユリが、今日は何だか(つら)そうで嫌だな。


ユリと一緒に作っているサリーもラベンダーも困っているみたいだった。


すると、女の人が走って来てサリーに何か言っていた。


サリーは、リラが来たけど様子がおかしいらしいと教えてくれた。


サリーの案内でユリも行くらしいので、椅子から飛び降りてついていった。


リラがいたのは、さっきとは違う場所で、入口のそばだった。


「あ!ユリ様!」

「リラちゃん、大丈夫だった?」

「大丈夫にゃ?」


「大丈夫です。でも、手紙をもらいました。読んだけどよくわかりませんでした」

「私が見ても良いの?」

「お願いします」


リラは、黄色い封筒の手紙をユリに渡していた。


ユリが手紙を読んでいる間、リラに聞くと、リラが一人でいると知らない人が来て手紙を渡され、困っているところにお父さんが迎えに来た。と言っていた。


ユリは顔をしかめながら手紙を読んでいた。

んーと唸りながら考えながら読んでいるようだった。


ユリはリラから手紙を預かり、リラはサリーを迎えに来た女の人と厨房見学に行くらしい。


ユリはみんなのところに戻った。


ユリは手紙が難しいと言ってローズマリーに渡していた。

受け取ったローズマリーも、顔をしかめて読んでいた。

あの手紙、いったい何が書いてあるんだろう?


読み終わったらしいローズマリーが、分かりやすく説明していたけど、ユリは怒っているようだった。

ユリが怒っているのを初めて見た。いつもニコニコして優しいユリを怒らせるなんて、手紙の内容はろくでもないんだな。


ユリがローズマリーと話している内容で、手紙はあのおばちゃんからだとはっきりわかった。


ユリはローズマリーに手紙の代筆を頼んで手紙を送ることにしたらしい。

ちらっと覗いたけど、難しい言葉で手紙は書かれていて、最後にユリが署名をしていた。


手紙を送った後みんなのところに戻ると、ちょうどパンプキンプリンが出来ていた。

少し冷やしてから食べるらしく、先にお昼ごはんを食べることになった。


ごはんの後、ユリがカボチャの保存の話をしていたけど、魔力を使って保存するより、買った方が安いんじゃないかなと思った。


少しするとパンプキンプリンが運ばれてきた。

ユリから1つ貰い、残りはサリーに渡していた。

サリーはニコニコしながら泣きそうだった。



ユリは持ってきた箱を渡すらしく、何人かに説明をしていた。

いっぱい人が来て、渡した箱を全部持っていった。


サリーとラベンダーは一緒に行くらしく、ユリとリラを迎えに行くことになった。


大きな調理場につくと、リラが楽しそうに話をしていた。

ユリは、リラに声をかけ、少し話してから調理場の人に話をしていた。

あの、和風ハンバーグの作り方が書いてある紙を渡すらしい。

楽しそうに話してから帰ることになった。



帰りはリラと手を繋いで一緒の馬車に乗って帰った。

リラは、まるでお部屋にいるみたいに揺れなかった!と、驚いていた。

次回は9月17日13時の予定です。

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