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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇新生ユメ◇

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夢の再来

「◯◯◯ちゃん、◯◯◯ちゃん」


又、ユリが私を違う名前で呼ぶ。

そうだ、これは夢だったと思いだし、そのままユリの話すことを聞いていた。


「◯◯◯ちゃん、今日は何を食べましょうか?」

くずきり(あーうー)!」


あれ、答えようと思ったら、話せなかった。

思ったことを言おうとしても、口から出るのは言葉にならない。


でも、ユリは困ってなさそうだったので、そのままユリの独り言を聞いていると、いつのまにか眠ってしまったらしい。


ふと起きると、いつもの部屋にいて、じっと見つめるキボウが横にいて、驚いた。


「ユメ、かえってきたー」

「どういう意味にゃ?」

「ユメ、いなーい。キボーしんぱーい。ユメかえってきたー」

「全くわからないにゃ。なにか心配してくれたのにゃ?」

「あたりー」

「ありがとにゃ」


キボウはなにか納得したのか、満足そうに部屋を出ていった。


なにか食べようと思ってリビングに行って、どこか違和感があった。

なんだろう?

廊下からリビングに入った瞬間、違和感を感じたのだ。

キョロキョロしたが、違和感の正体がわからず、あきらめてテーブルを見ると、バターロールになにか挟んだものがおいてあった。

ラップフィルムに包まれ、皿に乗っている。

一緒に黒猫模様のカップが伏せてあるので、これは私の分だろう。


ラップフィルムを剥がし、取り出すと、ソーセージが挟まったホットドッグのようなパンだった。

中には炒めたキャベツのようなものが入っていて、上にケチャップとソーセージが乗っている。他に、少しだけ粒マスタードが乗っていた。


ユリが作ったのだから、辛すぎることはないだろうと考え、そのままかじりついた。


おいしい! これはお弁当にも良さそうだ。

2つ置いてあるのを見たときには多いかなと思ったけれど、ペロッと食べてしまった。

又食べたいなぁと考えていると、廊下を歩く音が聞こえた。

ソウかな?

そろそろ私も手伝いに行かなければ。そう思って振り返ったとき、最初に感じた違和感の正体に気がついた。


「どうなってるにゃー!」


キボウが、木の舟の上に寝転がっていた。

明らかにサイズがおかしい。


「ユメ、のるー?」

「乗らないにゃ。なんで舟が大きくなってるにゃ?」

「んーーー。ふね、おおきー!」

「聞いた私がバカだったにゃ」


「まだ大きくなるのにゃ?」

「ふねおおきー、キボーのるー、キボーのるー、ふねおおきー」

「にゃー。キボウが乗れるサイズになったから、もう大きくならないって感じにゃ?」

「あたりー」

「とうとう、通訳できるようになったにゃ」


少し複雑な気持ちになりながらも、もう一つの違和感について思い出した。


「キボウ、一番最初はもう少し文章しゃべってなかったにゃ?」

『できるけど、でもめんどうだよー』


今度は、口が動いていなかった。


「今のは、しゃべったんじゃなくて、送ってきたのにゃ」

「あたりー」

「難しいことを伝えたいときは、面倒でも、送ってきたら良いにゃ」

「・・・わかったー」


まだ何もしていないはずなのに、どっと疲れたユメだった。

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