夢の蚊帳
確かに隣の家だった。前の家より大きい。中に入ると、やっぱり食卓だったけれど、倉庫の他に、部屋が3つあった。1つがマーレイ夫婦の部屋で、1つが子供部屋らしい。グランは今いないので、リラの1人部屋なんだそうだ。
イリスがシーツを持ってきた。グランのベッドを使わせてくれるらしい。
前回はコロッと寝てしまったらしいので、最初からベッドの上で話そうとリラに言われた。
「リラ、ちょっと荷物とってくるにゃ」
「はい。待ってます」
転移で部屋に戻ると誰もいなかったので、女王の結界の魔道具を持って、再び、リラの部屋に転移した。
「何を持ってきたんですか?」
「蚊帳みたいなものにゃ」
「かや?」
「虫除けにゃ」
「ユメちゃんは凄いですね」
「マーレイとイリスも呼んできてにゃ」
「はーい」
リラが呼んできたマーレイとイリスにも簡単に説明し、家の中心部分に設置させてもらった。
起動させるときに、魔道具に手を添えてもらい、今、手を添えた者に悪意をもつ者や攻撃から守られるが、悪意を持ったものは近寄れなくなるので、それだけ了承して欲しいと頼んだ。
悪意を持つものが近づけないことで困ることはないので、問題ありませんと言われた。
起動させると、4色の結界が張られる。
転移結界、物理結界、精神結界、反射結界。
「あ、なんか薄い幕が出来た」
イリスだけが反応した。
「イリス、結界が見えるのにゃ!?」
「これは結界なのですか?」
「何色に見えてるにゃ?」
「何色・・・うっすら透明の白っぽい色でしょうか」
「4色に見えるようなことがあったら教えてにゃ」
「はい」
「一月は持つにゃ。そのあとは、たまに魔力を充填してにゃ」
「はい!」「はい」
リラの部屋に戻り、眠くなるまで色々話した。
そしてやっぱり、起こされたら朝だった。
「ユメちゃん、朝ご飯食べましょう!」
「又知らない間に寝てたにゃ」
「はい。21:00でした。ユメちゃんは時計みたいです」
マーレイが作ったらしいご飯を食べた。
薄く切った固めのパンとスープと目玉焼きだった。作るのがマーレイで、片付けるのがイリスの担当らしい。
食べ終わってもイリスだけ残り、リラとマーレイの3人で店に来た。
「おはようございます! 」「ユリ、おはようにゃ!」
「ハナノ様、おはようございます」
「皆さん、おはよう。予想より早かったわ」
すでにユリは何か作業をしていた。でも、まだ作りはじめてはいなかったらしく、リラが「間に合ったー」と言っていた。
リラは休憩室にあるエプロンを取りに行き、私はリビングに私のエプロンを取りに行った。
戻ってくると、リラが紙を見せてくれた。ユリが書いたらしい。紙には今日の予定が書いてあり、どれでも好きなものをして良いらしい。
よく見ると、明日の予定まで書かれていて、ユリがみんなの仕事を見つけるのに苦労したのが伺え、少し笑ってしまった。
◇ーーーーー◇
計量と製造
黒糖フルーツタイプ、200個(20×10)
普通のパウンドケーキ、100個(20×5)
柚子タイプ、10個
紫芋とドライアップルタイプ、10個
黒猫クッキー 320枚(80×4)
リラの華240枚(80×3)
その他
パウンドケーキの型紙敷き
ココット洗浄1500個
グラタン皿用意100皿
余裕があれば(明日の仕事)
抹茶生チョコ、ホワイト5kg、 生クリーム2kg
ローズ生チョコ、ホワイト5kg、生クリーム2kg
コーヒー生チョコ、ブラック10kg、生クリーム5kg
ポテロン用の南瓜蒸し、裏ごし300個分
グラタン用の南瓜蒸し60食分
ポテトサラダ用のジャガイモ蒸し、皮剥き、潰し 100食分
シチュー用の野菜カット、下煮 100食分
◇ーーーーー◇
リラの華と黒猫クッキーの数が多い。これは私達用だ!と思った。
「パウンドケーキの計量したらクッキー作ろうと思います」
「クッキー作るにゃ!」
「はい。お願いします」
まずは、ユリのパウンドケーキの1、2回目の分の計量をした。ユリにバトンタッチし、リラと一緒にクッキーを始めることにした。
マーレイは、ココットを洗うらしい。
少しすると、ソウとカエンが来た。さっきリビングに行ったときは会わなかったけど、どうやら片付けをしていたらしい。バスルームにいたようだ。
カエンは見学で、ソウは南瓜とジャガイモを蒸すようなことをいっていた。
量った分の仕込みが終わったらしいユリが、マーレイを見ていた。どうやら、マーレイの洗う速度が早いのを驚いていたらしい。
大分たってからイリスが来た。リラに聞くと、洗濯をしてから来るといっていたので、洗濯が終わったのだと思う。
イリスは、洗ってあるココットを冷蔵庫にいれ、ユリのパウンドケーキの型紙を作るといっていた。
ユリが生地を作ってパウンドケーキ型に入れると、手の空いた人が全員手伝う。上側を均して綺麗にするのだ。そうすると、ユリが細い油を絞っていく。これは、綺麗に出来上がるための工夫らしい。
カエンは、ユリのパウンドケーキを手伝ったり、リラにクッキーを教わりに来たり、色々なことをしているようだった。
「ユメちゃん、お昼ご飯はどうするんでしょうか?」
「ユリが作るのかにゃ?」
「私が作ってみようかなぁ」
「ユリに聞いてみると良いにゃ」
リラはユリに聞いて、任されたらしい。
オムライスを作るといって張り切っていた。
私はリラに聞いた通りに、オーブンから焼けたクッキーを出し、新しいクッキーを入れて次のを焼いた。
たまにリラが確認に来てくれるので、安心だけど、三段ある一番上のオーブンで焼いているので、焼いているのは見えない。ユリのパウンドケーキの方が重たいので、一番上は、軽いクッキーと言うことになった。
頼まれていたクッキーを全部オーブンにいれた頃、リラがみんなに声をかけた。
「お昼ご飯出来ましたー」
全員でご飯を食べることになった。




