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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇女王ユメ◇

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夢の辛味

黒猫クッキーがいっぱい売れてしまい、残りが少なくなった。ユリに作ってもらおうと思い、厨房へいったらユリはいなかった。


「ユリはどこにいったにゃ?」

「ユリ様は粉を作りにいきました」

「粉にゃ?」

「はい」

「黒猫クッキー作ってもらいたかったのにゃ」

「私が作っておきます」

「リラ、頼むにゃ!よろしくにゃ!」


リラが作っておいてくれれば、ユリが焼いてくれるだろう。私は安心して任せたけど、何度か厨房に顔を出しても、ユリは戻ってきていなかった。


「ユリまだ戻らないにゃ?」

「ユリ様はまだ戻ってきてないです。クッキーは今焼いていますよ」

「リラ、焼けるのにゃ!?」

「はい。朝、リラの華も自分で焼きました!」

「リラ、凄いのにゃ!」

「凄いのは、オーブンかな。ユリ様が教えてくれた通りの数字に合わせるだけで、きれいに焼けました」

「リラは偉いのにゃ!」

「ユメちゃん、ありがとうございます!」


お店に戻り、少しするとユリから呼ばれた。


「ユメちゃん、クロ猫ッカンお願いできる?」

「わかったにゃ」


ユリはお店に残るらしく、入れ替わりになった。


「ユメちゃん、黒猫クッキーもうすぐ焼けると思います。クロ猫ッカン手伝いますか?」

「ありがとにゃ!お願いするにゃ」


リラにパイを伸してもらい、パイカッターで細かく切り分けた。

ユリが戻ってきて、リラにブラックスワンシューを頼んでいた。

リラはブラックスワンシューを作るので、手伝えなくなり、一人で作ることにした。

すぐにユリは店から呼ばれて戻っていった。

パイカッターで切ると、切り口がなみなみになる。

リラはブラックスワンシューをつくって、店に持っていき、すぐに戻ってきた。

黒猫型も作り、玉子を塗って、仕上げてから冷蔵庫にいれた。


「ユリ、できたにゃー」

「ユメちゃん、ありがとう! あ、そうだ、ユメちゃん、夕食、餃子作ったら食べる?」


何で?ランチのメニューは食べないの?


「餃子にゃ?何餃子にゃ?」

「え?焼き餃子の予定だけど、水餃子が良ければ変えるけど」


水餃子と、蒸し餃子しか食べたことがないけど、ユリが作るなら美味しいと思う。


「焼き餃子は食べたことがないにゃ食べてみたいにゃ」

「そうなの?」

「楽しみにしてるにゃ!」


ユリと場所を交代し、店に戻った。

しばらく普通にお店を見ていたら、再びユリが呼びに来た。


「ユメちゃん、餃子包むのやってみる?」

「少しだけ作ってみるにゃ!」


すぐに厨房へ行くと、イリスもあとからついてきた。


なんと!ソウが作っていた。

少し驚いた。

リラに作り方を教えてもらうと、意外とソウが上手なことに更に驚いた。

ユリがイリスにパウンドケーキの残りを聞きにきた。

リラから、簡単な方法と言うのを教わり、作ってみたけど、リラみたいに上手に包めなかった。

イリスは器用にすぐ覚え、5個くらい作ると、店に戻ってしまった。

私も頑張って、5個は作った。

ソウを見ると、10個くらい作ってあって、ソウもどこかへ戻るらしい。


「リラ、残りは頼んだ!」

「はーい。お父さんにも頼んで良いですか?」

「マーレイ、リラを手伝ってくれ!」


ソウがマーレイに頼み、階段を上がっていった。


「店に戻って、ユリと交代するにゃ!」

「はーい」


店に行くと、ユリがお客と話していたので少し待ってから声をかけた。


「戻ったのにゃ!」


お店は、ほとんど帰る人ばかりなので、片付けものをするくらいだった。

最後だろう客に生チョコを売り、冷蔵庫の生チョコは10個くらい残っていた。


店までユリが聞きにきた。


「ユメちゃん、ご飯どうする?ピビンパ丼を食べる?ビコールエクスプレスを食べてみる?」


びこー?もしかして昼間ユリが食べてたのかな?


「それ昼間のにゃ?」

「あ、そうそう。豚肉とシシトウのココナツミルク煮だった」

「少し食べてみて考えても良いにゃ?」

「一口サイズに作っておくから、食べられそうならおかわりしてね」

「ありがとにゃ!」


試したいことがユリに伝わったようで、少しだけだしてくれるらしい。

片付けながら厨房に行き、少しだけいれてもらった皿の中身を食べてみた。


あれ?ピーマン臭くない。

確かに、ピーマンの味がする気はするけど、苦味がなくて、臭くないから食べられるような気がする。


「今食べたのは食べられるにゃ。でもいっぱいは、判らないにゃ」


正直に言ってみた。


「半盛りにしておくからおかわりしたら良いわ」

「そうするにゃ!」



ご飯が揃うと、ユリが餃子の説明を始めた。


「さあ、食べましょう。餃子はね、醤油か、醤油とお酢か、醤油とラー油か、醤油とお酢とラー油か、醤油と柚子胡椒か、ポン酢か、ポン酢と柚子胡椒か、柚子胡椒のみか、まあ、好きなもので食べてください」


リラはユリにおすすめを聞いていたけど、私はどうしようかな。

水餃子と蒸し餃子は、酢とラー油で食べていた気がする。


ユリは、小皿を2枚ずつ配っていた。


「少しずつ作って色々試してみたら良いわ」


とりあえず、酢を皿に入れ、他はどうしようかなと考えていた。


「んー!柚子胡椒美味しくできてるわ!」

「売ってるのよりしょっぱくないな!」

「塩分ギリギリにしてるからね」


ユリとソウが先に食べ、柚子胡椒が美味しいと言っている。

リラと二人、目があった。

柚子胡椒を取らなかったのは、私たち二人だけなのだ。

イリスもマーレイも気に入ったらしく、誉めていた。


「少し食べてみるにゃ!」

「私も!」


リラも食べてみるらしい。


「少しだけつけると良いわよ」


ユリから瓶を渡されたので、少しだけとって、ものすごく少量を餃子につけ食べてみた。


「辛いけど、大丈夫にゃ!」

「ほんとだ!辛いけど、食べられるくらいだ!」


私とリラが食べられると言ったら、ユリがものすごく喜んでいた。

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