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賢者と呼ばれた俺が転生して俺YOEEEEE

作者: うぉうぉ

日本人からこの世界に転生して早200年と少しくらい。100年をすぎた辺りからは歳を数えるのも気にしなくなった。賢者と呼ばれるくらいに魔術を極めたが、忍び寄る老いに打ち勝つ魔法を編み出すことは、ついに叶わなかった。老いに打ち勝つことは出来なかったが、再び転生を試みることが出来る程度には魔法を使えるようになっていたのがせめてもの救いか。などと考えているうちに意識が遠くなってきた。これは魔法の効果か、それともただの老衰で死んでいくだけなのかわからない。次はどのような人生がまっていることやら。



さて、転生魔法はうまく働いたようだ。さすがに200歳を過ぎた精神年齢で赤ん坊からやり直すのは精神的にきついから3歳までは前世の記憶を思いださないようにしたのが良かった。いくら美人の母親でも赤ん坊として接するのはさすがに避けたかったから。


はれて3歳になった俺はまず自分の置かれた立場を理解することから始めた。いくらなんでも転生する家格までは選べないからな。まず俺の親は貴族なんかではなかった。いわゆる普通の家庭だ。まだ父親の仕事が何かはわからないが、毎朝働きに出て暗くなったら帰ってくるから農業なのかな?母親はさほど美人ではないが、気の良い奥さんといった感じの女性でかわいらしい、いわゆる専業主婦のようだ。


家は貧乏でもなくお金持ちでもなく、たまに美味しいものを食べる程度の稼ぎがあるといった感じだが、別に贅沢がしたい訳ではないから食うに困らなければそれで十分だ。まだそんなに出歩けないから、住んでいるのが田舎か、町か、そもそもどういった時代かもわからない。俺が作った転生魔法は過去には行けないし、いわゆる異世界にも行けないから、同じ世界の死語の世界のはずだ。ただし、死んでから何年か、何十年か、何百年か、何千年かは指定できなかった。もう少し大きくなったら、まず住んでいる場所や時代のことから探っていこう。


気がつけば、6歳。幸い、この世界は6歳から学校へ行って、基本的な勉強や魔法を教えてくれる。といっても世界中どこでもこうなっているわけでもなさそうで、たまたまこの辺の領主が教育に熱心ということらしい。基本的には領主や貴族は世襲制だが、いわゆる公務員的な職場における実務職は実力重視らしいので、勉強が出来て無駄になることはないらしい。


さて、学校に来て真っ先に習いたいことはやっぱり魔法について。ふっふっふっ。俺のことが歴史の教科書に載ってるじゃないか。まぁ、前世では賢者と呼ばれるまでに魔法を極め、魔法の基礎を作ったとも言われていたから、そりゃあまぁ、歴史の教科書に載っていても不思議じゃない。いや、むしろ載らないとおかしいといっても過言ではないはずだ。


「***/+++は**世紀100年頃に生まれ、賢者と呼ばれるまでに魔法を極め、現在魔法の基礎を作ったと言われている」


以上!!!


たったこれだけ? 前世の人生、200年を魔法のためだけに使ったのに?なぜだ?現代魔法の基礎を作ったんだぞ。それなのにたったこれだけって。いや別に歴史に名を残したかった訳じゃないから別にいいんだけど、それにしたってもうちょっと書いてあってもいいんじゃないか?まぁ、慌ててもしょうがない、これから先の授業でもっと詳しく話があるかもしれないしな。よし、気を取り直して、いよいよ魔法実技の授業へ挑もうではないか。失われた古代魔法の威力を見せつけてやるのだ!


見せつけてやるのだ!と思っていたら、なんてことはない、古代魔法は失われることなく発展を遂げていた。俺が人生をかけて編み出した魔法はみんな当たり前のように使っているじゃないか… 


まぁ、膨大な魔力を必要としたり超絶技巧を必要とするような魔法じゃなかったから、教科書に書いてあったら誰でも出来るようになって不思議じゃないか。俺が生きていた頃は学校なんてなくて、魔法は師匠からの口伝による一子相伝がほとんどだったしな。前々世でも、例えばアインシュタインが発表した相対性理論なんて100年もしないうちに誰でも知ってるようになってたし(理解していたかは不明だが)、きちんと系統立てて研究していればそんなもんか。前々世のテレビで見た天才っぽい人がインタビューで「もしも自分が100年前に生まれていたら歴史に名を残すくらいの発見とか出来たと思う」と言ってたけど、まさにその通りということか。俺が人生をかけて考えた魔法を古典物理としたら、今の魔法最先端は量子力学のようなものといってもいいだろう。


俺が死んでから2000年ほどたってるみたいだけど、この間、大きな戦争もなく、平和な世界で継続して魔法を研究出来たようだし、ここの領主のように比較的学問に関してオープンな世界だったようだから、そりゃ、発展もするわなー その成果として先生たちは俺が思いもつかなかったようなすごい魔法をバンバン使っている。ねぇねぇ、それどうやってやるの? へぇー、聞いてもわかんないや。難しいことやってるんですねー(棒読み)


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