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吹奏楽部

 あの不思議な夢から一か月が経っただろうか。


 僕は、同じスーパー銭湯に朝行った。


 休日で、朝の9時くらいだった。


 朝は人が少なく、落ち着いていた。


 僕は寝られる風呂で、仰向けでぷかぷかしていた。


 今日も気持ちよかったため、眠ってしまった。


 隣には父がいた。父も寝ていた。


 私は、吹奏楽部の練習で、こんな休日でも、学校に駆り出されていた。


 「はい、じゃあ、六十六小節目、木管だけ」


 私はそれに乗り、フルートを吹く。


 フルートを吹いていると、やっぱり気持ちがいい。


 そのため、よく、楽しそう、とか、意志がある、とか言われている。


 私は、水部の中でも、フルートがとても上手いと言われている。


 なんなら、コードもわかるし、アナリーゼもできる。


 自分で言うのもなんだが、音楽については自信がある。


 休憩時間になった。


 私は、昨日の夜がとても遅かったため、とても眠い。


 それなので、椅子の上で眠ってしまっていた。


 

 僕は、起きると、目の前に多数の楽器が見えた。


 目の前には、銀色の細長いものがあった。


 僕は、音楽については全く疎いので、これが何なのかもわからない。


 というかまず、椅子に座っていたらしい。


 この、どこかの部屋には、学生が多く、おそらく学校の音楽室だろうと推測した。


 すると、数人の女子がこちらへ来た。


 「美穂ーここってどうしたらいいのかな?」


 美穂!!その言葉に、僕は聞き覚えがある。


 っていうか、いきなり言われてもわかんないんですけど!


 体を見ると、女子中生のスカート姿の制服を着ていた。


 僕はいろいろとわけわからなくなっているので、困惑していた。


 「美穂?大丈夫?顔青いよ?」

 「え?は、はい…えっと…」

 「始めまーす」

 

 部長らしき人が、始まりの合図を出した。


 「じゃあ、さっきのⒻのところから」


 式の人がそういうと、みんなが一斉に構えた。


 僕はその場をしのぐため、隣の、同じ楽器の人と同じように構えた。


 そうすると、なにやらみんな吹き出して、メロディーを奏でていた。


 この楽器は横笛らしかった。


 僕もなんとかやってみようとする。


 しかし、音が出ない。


 どぎまぎしていると、音が出た!


 「ピフィー!!!!!!!!!!!」


 その瞬間、局は止まった。


 「真木さん、ふざけないで。どうしたの?」

 「先輩、さっきから真木さんが変なんです」

 「ちょっと外でも行って来たら?」

 「そうします」


 とりあえず一人になって落ち着こうと思い、居場所を探していると、後ろから誰か来た。


 「美穂、大丈夫?何か悩みとかあるんじゃない?」

 「えっと…その…」


 まずこの人が誰なのか全くわからない状態でどうしろってんだよ…。


 すると、その人はごく自然と女子トイレに入っていった。


 一瞬ためらったが、引っ張られた。


 そして、肩を叩き、顔を僕の顔に近付けた…って、近い!近い!


  「落ち着いて。何があったかわからないけど、私はいつでも美穂の味方だよ」


 僕は確信した。


 僕は美穂という女と入れ替わっていることを。


 そして、その子は不意に抱きついてきた。


 僕はそのまま倒れて、頭を打ったらしかった。


 私は仰向けになっていた。


 一か月前のあの時みたいに、男の裸体ばかり見えた。


 恐くて、また目を隠した。


 「これはもう嫌だよ…三回目だもん…」


 もう私の目は限界だった。


 そもそもさっきまでは音楽室にいたのに、どうしたものか。


 隣の大人が不意に起きた。


 これも見たことあるような顔だった。


 「明澄、別の所行くか?」


 やはりこいつの父親だった。


 言われるがままに無言でついていく。


 たくさんの温泉が、イルミネーションのように光っていた。


 その光景は、なぜか見覚えがあった。


 前に絶対に来たことがある。


 美穂の身体で。


 私は入れ替わっていることはずいぶん前から気付いていた。


 しかし、その場所は思い出せなかった。


 目のやり場がなく、上を見るしかなかったので、空を眺めながら、近くの浴槽へ入った。


 月が出ていて、ちらほら星が見えた。


 しかし、ライトがまぶしくて、結局は寝た。


 寝れば治ると確信していたからだ。


 ……意識は飛んだ筈だった。


 私は起きたとき、まだ銭湯の中だった。


 先ほどと何ら変わりはなかった。


 不思議でたまらなかった。


 そして、思いっきり頭を後ろによりかかった。


 すると、とてつもない衝撃とともに、いきなり眼前が変わった。


 

 僕はお湯の中で座っていた。


 場所は少しばかり移動しているような気もしたが、やはり同じ場所だった。


 隣には父がいたが、それももう信じられなくなってきた。


 「明澄、そろそろ出るか」


 父らしき人物が声をかけてきたので、無言でうなづき、ついていった。


 「どうした?さっきから元気がないぞ?」

 「ううん。大丈夫」


 その後、更衣室に戻ると、父の使っていたロッカーや貴重品などを見て、信じることにした。


 その後は送迎バスに乗って、カラオケをして、帰った。


 また夢のことは忘れていたが、不意に思い出すことは時々あった。


 

 目の前は、天井だった。


 私は、倒れていた。


 横には、私の友達がいた。


 「美穂!?大丈夫!?」

 「え?あ、たぶん大丈夫よ」


 私たちはトイレの中だった。


 「いきなり倒れてびっくりしたよ」

 「え?そうなの?」

 「さっきから美穂、様子がおかしかったじゃん」

 「疲れてるのかなあ」

 「でも、もう顔色も良くなったし、大丈夫だよ!」


 私は、友達のことが本当にその人か疑わしく思っていた。


 しかし、行動やしぐさや持ち物から、友達と確信した。


 「さ、音楽室戻ろう」

 「うん、ありがとう」


 そして、二人で音楽室に戻り、また演奏に参加した。


 なぜか最初はみんな私に対して警戒視していたが、自然と流れも戻っていった。


 私は、この短時間、いや、ひと月で、一つの出会いを得ていた。

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