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第4章14話

第4章14話


 善姫さんが来たのは昼前だった。

 知世さんが善姫さんを3階に連れて行き、部屋を割り振ってあげていた。


「こんなに広い部屋を使って良いのですか?」


「3階は夫婦しか居ませんので、全く問題有りません」


 知世さんが善姫さんに3階の風呂などを見せて、一眼姫とピョコリ瓢箪を連れて水郷城に戻って行った。

 一眼姫とピョコリ瓢箪が心配そうに手を振っていた。


 あえて2人きりになると、何となく気まずい。


「妖力は足りてますか?」


 善姫さんがキスをしてくれた。何時もと雰囲気が違う。


「旦那様、お風呂に入りましょう」


 だ、旦那様と呼ばれた。3階の風呂でのんびりとと思ったのだが、相手が美人過ぎで緊張してしまう。

 身体を洗って貰い無事に浴槽に入った。


「眺めの良い広い風呂ですね」


「2階の風呂は遥かに大きいですよ」


「そうなんですか?」


 飛翔で2階の風呂に移動した。


「凄いです! 水郷城のお風呂より豪華ですよ」


 気に入って貰えたようだ。少しずつ打ち解けて緊張がほぐれてきた。

 どうせ誰も居ないので2階も見せて歩く。


「最近は知世さんも3階では裸の方が多いから、気にしないで良いですよ」


「はい、聞いてます。凄く嬉しいです」


 一通り案内して3階に戻って寝室でビールを飲んでいると、善姫さんが隣りに座り抱き付いて来た。


「お酒を飲んでいるのに気が付かず申し訳有りませんでした」


 それからは善姫さんペースでボロボロになった頃、水美が助けてくれた。

 急いで水の里に運ばれ、体力と妖力を足してくれた。


『あれがヤマコの作法か、助けの無い男なら1日持たんぞ』


『俺は半日で死んだ』


『顔が青い。風呂で寝ろ』


 水美に運ばれて、寄りかかって寝てしまった。

 水の里で半日掛けて回復したので屋敷に戻って善姫さんを抱き枕にして寝ていると、また始まってしまった。

 ヤマコの元で過ごした女が避けられるのが分かったような気がした。

 また水美に助けられ、水の里で半日掛けて回復してから戻された。

 晩御飯時間も近いし、そろそろ善姫さんも体力が無いだろうと隣りで寝ていると、ヤマコ式が再開した。


 夜の7時近くになって解放して貰い、善姫さんに風呂に運ばれて洗われた。


「旦那様。晩御飯にしましょう」


 善姫さんは事も無げに囁き、俺を担いで運び2階に用意されていた御飯を食べさせてくれた。

 思ったより力が強い。いや、俺より力が有る。これは絶対敵わない。


『水美。適当に助けてよ。俺は絶対勝てない』


『分かった』



 夜の0時頃に水美が助けてくれた。


『哲司が泡を吹いているのに止めないので、寝て貰ってな』


『何故もっと前に助けないんだよ』


『いやぁ、哲司が楽しんでいると思っていたのだ』


 朝まで6時間、水の里時間で36時間近く休める。


『まさか新婚の2人を一晩中見ている訳にも行かんだろう』


『いくら見ても良いから助けに入って』


『分かった』


『善姫さんも凄く久し振りなので、今日は力が入っていたと思うんだ。明日以降は普通になるような気がする』


『そうだと良いな』


 水美が刺身を摘まみながら、適当に返事をしていた。


『この刺身は美味いね』


『夕べの御飯にヤヤが付けてくれた刺身だぞ。記憶に無いのか?』


 全然記憶に無かった。


『水美。何か変だよ。あの優しい人が相手の状態を見ないで責め続けるなんて』


『でも、やっているのは確かだからな。哲司は餌食になり続けるしか無いな』


『真面目な話し、善姫さんが淡々と俺を責め続け始めて俺が危険状態になった頃に《術解除》とか《浄化》とか、やってみてくれないかな。発動している時しか解除出来ないのかもしれない』


『違う世界の術なら完全に発動してないとな。分かった。やってみよう』


『ヤマコに術を使える個体が居るのかな?』


『分からないな。まあ善姫の中の何かを引き出している様子は有るな』


『……』


『仕方無いでは無いか。善姫は17歳の時から獣か天狗趣味の山賊しか相手にしていないのだからな。哲司に気に入られようと善姫の知識の範囲で全力なのだと思うぞ』


 水美の意見にも一理有るなと思った。


 水郷城の朝4時に帰って来て、善姫さんの隣りで寝て居ると善姫さんのキスで起こされた。また始まったのだ。

 善姫さんはトランス状態になっているようで、ここだと思っても俺は既に妖術を使える状態では無かった。


『水美……助けて』


 水美は返事もしない。居ないのだろうか?

 だんだん気が遠くなって意識が無くなる頃に、善姫さんが光り出した。善姫さんの動きが止まり光りがどんどん強くなって、善姫さんの身体から煙りのような物が上がっている。

 善姫さんが意識を失い、俺の上に倒れ込んで終わったようだ。


『哲司。生きているか?』


 水美は善姫さんに治療や浄化をしてから布団を掛けてあげている。


『水の里に戻るぞ』


 風呂に入っていると寝てしまった。俺が体力を回復してから水美が教えてくれた。


『やはり術のような呪いのような不思議な物が掛かっていた。哲司の言う通り発動してからでは無いと解除出来なかったぞ』


『完全に治療出来た?』


『もう1度か2度やってみようと思っている。今のままでも大分良いとは思うが』



 結局、全部で3回水美のお祓いを受けて知世さん並みになった。


『哲司が主導権を握れる相手はおらんな』


『水美みたいな精霊が3回祓って、やっと何とかならヤマコ帰りの女性が拒否されるのを理解出来るようになったよ』


『その代わり善姫はお買い得だっただろう。あれほど美人だしな。それと善姫みたいのは普通の武家では嫁に出来ないからな』


 確かに言えている。新婚の3日使って治療出来たのは幸運だったと思う。


 最終日の昼過ぎに知世さんが宣姫さんと我が家の2妖怪を連れて来たので水神様と天狗さんも呼んで、すき焼きを食べに行き新婚の儀式が終わった。



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