第3章04話
第3章04話
「万穣村の万穣神社から小者狩りの陰陽師退治の依頼が来たぞ」
水神様に呼び出されて城に行くと開口一番がこれだった。
「何人くらいです?」
「6人を確認しているようだ」
「万穣神社は万穣村の中に有るんですか?」
「村外れだ」
「じゃこれから俺が行って片付けますよ」
「2人を連れて行ってやれ」
知世さんと宣姫が完全武装で、鉢巻をしている。
「危ないだけですよ」
「旦那様!」
知世さんと宣姫が俺を睨んでいる。
「仕方ないな。まとまっている時は先制攻撃で俺が片付ける。バラけている時は、知世さんと宣姫が両端のを責任を持って片付けて。失敗した時は直ぐに逃げる。良いね?」
「「はーい」」
全員で武装に妖力を流し、透明になって水神様に飛ばして貰った。
出た所は万穣神社の鳥居の上だった。俺の目の前に2人、少し離れて左右に1人ずついる
「氷結」
『哲司、上手いぞ! 2人供凍った』
知世さんと宣姫は、移動で槍と薙刀の餌食にしたようだ。
俺は直ぐに飛行で万穣神社の上空に行く。
『神社の裏に2人!』
水美と俺がほぼ同時に発見した。
『氷結」
「氷結」
2人の氷結で簡単に終わった。
『奇襲は楽で良いな』
水美が確認している。
『全員即死だ』
水美は俺に回収した財布と妖道具をくれた。
俺は陰陽師の身体を全部消滅して歩き仕事は終了したようだった。
いきなり結界が解かれたようだ。4人で本殿に行くと、凄い数の小者達に神社が埋まっていた。
手を振っている女性が神様のようだ。30歳くらいで中肉の綺麗な神様だ。我々は透明を解除して、神様の近くに降りた。
「お手数をおかけしました。万穣の神です」
「河瀬哲司です。宣姫と私の妻の知世です」
「お願いが有るのですが」
「何でしょう?」
「小者達を水郷境で少し引き受けて貰えませんか?」
意外な申し出に少し驚いてしました。
「構いませんが、どの位です?」
「出来れば、此処に居る全部」
予想以上の数だった。300くらいの小者達だ。
「お引き受けしますが、此処の自然が崩れますよ」
「この小者達は住処を捨てて、此処に逃げて来ているのです。陰陽師達に僅かな金を渡された小作人達が護符を貼ったりして小者達を追い払ってます」
「もう払う陰陽師は退治したので安心では?」
「彼等は小者達が悪い事を運んで来ると吹聴して歩いたので駄目でしょう」
小者達が俺を見て頷いている。
「分かりました。水郷境も小者達を減らされたので余裕が有りますから」
万穣の神様がホッとして、小者達が喜んでいる。
「一眼姫、ピョコリ瓢箪、居るんだろう。姿を見せろ」
我が家の2妖怪が現れた。
「此奴等を水郷境に運ぶから、お前達で住みやすそうな場所を選んでやってくれないか?」
「良いぞ」
「任せろ」
2妖怪から心強い返事が帰って来た。
一眼姫が小者達と話し合っている。
「水郷境神社の前に一旦、全員運ぶぞ」
何か大掛かりな作戦になって来た。宣姫が報告したのか、水神様まで現れた。
「哲司殿、随分と大掛かりな事になっているな」
「小者達が居ないと自然が衰えると言いますから。水郷境は大きいですので余裕ですよ」
「確かにそうだな。手伝うぞ」
天狗さんがカラス天狗を6人くらい連れて来た。
「間に合ったようだな」
水神様に呼び出されたようだ。
「山の小者なら天狗の里でも引き受けるぞ」
一眼姫とピョコリ瓢箪に言われて、カラス天狗達の前に行く者も居る。
「移動開始!」
水郷境神社と万穣神社の往復が始まった。天狗さんとカラス天狗達は、天狗の里行きを希望した小者達を集めて直接天狗の里に飛んでいる事も有るようだ。
半分くらいまでは順調に進んでいたが、何故か余り数が減ってない。
「スミマセン、噂を聞いた周囲の小者達が集まって来ているのです」
仕方無いので全員引き受ける事にした。
水郷境神社では、へたり込んでいる小者も出ている。
「空腹なようだ。炊き出しを」
「御屋形様。現在百姓達が話しを聞いて自主的にやってくれております」
タマ三郎さんが知らせてくれた。有り難い事だ。
「米は食糧庫から出してやれ。金は俺が払う」
「御屋形様の心配は無用です。タマ左右衛門にお任せを」
部下の方が有能なので任せる事にして、運送係に戻った。
結局全員運んでみると1500小者くらいになったらしい。
山だの草地だのと希望を聞いて、一眼姫とピョコリ瓢箪が運んでやっていた。
お百姓さん達も以前小者達が住んでいた場所を教えてくれたり、結構スムーズに進んでいる。
「御屋形様、まだまだ大丈夫ですよ。以前はもっと小者達が居て、皆で仲良くやってましたから」
お百姓さん達も好意的だった。
「水郷城でも山や水辺とか、まだまだ入れる事は出来るからな」
水神様も積極的になっている。最後に万穣の神様が、わざわざ礼を言いに来てくれたので、お弁当とお酒を持たして返した。
俺と天狗さんは自分の里の後始末なので、水神様と知世さん達は城に行って貰った。
タマ左右衛門さん達と打ち合わせをしてから、水の里に行った。
『大移民作戦になるとは思わなかった』
『小者の多い所は豊かな証拠と言われる。良かったと思うぞ』
水美と風呂に入りながらボーッとしていた。今日初のゆったりとした時間だった。
飛翔の連続使用で妖力が相当減っている。水の里に来ていれば回復時間はたっぷり有る。
『水神様と宣姫、知世は途中で休み時間を取っていたからな』
『誰かが張り付かないと終わらないからね』
『だが1時間でも休み時間を取るべきだぞ。こっちに来れば6時間近く休める』
『自由にさせて貰えればね。誰かと一緒に休まないとならないなら此処には来れないモン。それなら忙しくしていれば人は寄って来ないからね』
『難しいものだな』
『最初はね4時間削ってこっちに来ればほぼ24時間、知世さんと20時間で問題無いと思ってたら宣姫と6時間くらい使うんだよね。
此処の女性は女の子同士の時間を経験しないじゃない。だから楽しくって仕方無いのだと思うと、好きにさせてやろうと思ったんだ』
『なる程な、特に知世はヤヤが居るからする事が無いしな』
『そうなんだよね。城に行かせとくのが一番良いんだよ。健康的にもね』
水美に力を足して貰ったり、2人で軽い食事をしたりして水郷城に帰る事にした。
『一眼姫とピョコリ瓢箪に、ご褒美の食事に行かないとね。今日は頑張ったから』
『そうだな』
俺達は水郷城の屋敷に帰った。




