表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異界奇譚☆くノ一  作者: 一心プラン
次の三歩 忍び足
43/45

くノ四十三 大地を支える魚

今は動けない それが竜華の定めだけれど

諦めはしない もう目覚めたから

燃えるときめきは 時代を写し

色鮮やかに 燃え盛る炎       (ZG)


読んで頂いている方々、ありがとうございます。



私は転生前、山田忍の時に敗北感を何度も味わった事がある。両親の借金返済の為に高校を辞めた時に、それを苦に両親が自殺した時に、夜の仕事で客にバカにされた時、40過ぎても化粧もろくにせずコンビニと深夜スーパーを掛け持ちでバイト中に子連れの親子を見た時‥‥数え上げればキリが無いほどだ。


竜神様の計らいで、異世界に来て第2の青春を満喫し浮かれていた時に丁度、理不が女の子を軟派していた時だった‥‥あれはもう、暴力と言う名の自然災害‥嫌、天災に近いか。


何の前触れも無く一瞬で空が暗くなり、巨大なそれは現れた。後で分かった話しだが、

竜人にはならずに、ドラゴンを貫くドラゴン。

竜神と同等かそれ以上の力を持ち、空間の狭間を飛び続け、イスラム教では大地を支える魚と言われ、この世では災悪のドラゴン『バハムート』


彼の気紛れか、この世界に生きる者達に嫌気がさしたかは解らない。

ただ現れて、3度くちから黒い炎のブレスを吐き出して、そして次元の狭間へと消えただけ。


後は地獄だった‥記憶に有った景色は何処にも無く、人々は逃げ惑い泣き叫ぶばかり。


余りにも唐突すぎて腕輪の力も間に合わず、仮に間に合ったとしても、恐らく無駄に終わっていたに違いない。

何処までも続く黒い炎の道三本が圧倒的な力の証明だった。

これが転生してから初めての敗北感である。


その時、私は見た‥‥確かに見たのだ!巨大なバハムートの頭の上に小さな人を‥‥紺色のマフラーを2本靡かせ立つ者の姿を‥‥あれは忍者‥‥

そう、間違い無い!あれは忍者だった。


さっきまで居た、白い革のロングコートを着た女性は見当たらない。

難を逃れた私と理不は、他の仲間達か心配で大急ぎで城へ戻った。

当然バトルアーマーを装着してね。

飛びながらでも良かったが、理不が慣れていないため、ジェットブーツで向かったが‥‥

城は直撃を受け、跡形も無く吹き飛んでいた。


全く頭の整理が追い付か無いまま、ただ茫然としていた時だった。

《‥ザッ‥リュ‥‥ザッ‥ハザマ‥トバ‥‥》

バトルアーマーの内部スピカーから微かに、コピー腕輪の音声が届いて来た。

《皆!無事なの!みんなあ!》

応答は無い。

不安が確証に換わった瞬間だった。


「生きている!」と。



生暖かい目で宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ