くノ三十三 卒業証書
眩星がいた夏は遠い夢の中
空に消えて行った打ち上げ花火
読んで頂いている方々ありがとうございます。
砂トカゲの足は異常に早い。
最初は2週間で一匹が関の山。
砂漠の暑さに加え、砂に足を取られ走るのも儘ならない状態だった。
しかし、叙々に体が慣れてきて10日で1匹‥
5日で‥今では1日2匹までとなり、汗も余りでず、足腰が強くなり強靭な肉体の持ち主となった。
砂に沈む前に次の足を繰り出し蹴り‥を繰り返す内に、砂の上を滑る様に移動する術を会得したのだ。
「先生、今日は大漁!23匹捕まえました!」
「夜は串焼じゃな。」
その夜、
「まだ半年近くあるが、充分じゃよ。」
「何が(モグ~モグ‥)充分なんですか?」
「砂トカゲ100匹試験は終了じゃ。」
最初、意味が分からなかったクレスタ、
「試験?‥終了‥‥先生‥!」
「あ~そうじゃよ。卒業じゃ。」
砂トカゲの串焼を、嬉し涙と鼻を垂らしながら、クレスタは照れ隠しし、
「(グスン‥)しぇん生‥ありがとう‥ございます(ズッ‥ゥ)
この串焼は塩が効き過ぎね‥」
次の日、身支度を整えたクレスタは、
「先生この2年半、本当にありがとう御座いました。」
頭を深々と下げ礼をしたクレスタ。
「辛い修行によくぞ頑張ったのぉ~クレスタよ。」
へのへのもへじーさん‥スパーダーは、草が生えた脇にある石柱の元へ行き、土に埋もれた石柱を引っこ抜き、クレスタへ差し出した。
「これは、卒業証書じゃ!受け取れ!ホラ!」
直径30センチ長さ1メートル50はあり、おもさは60キロほどのモノが卒業証書‥仕方なくてを差し出し受け取った。
確かに重い‥重いが自分は何ともない‥前までなら重さに負けて落とすか、自分が尻餅を突いていたが、全然何ともない‥
「ウソぉ‥」
「クレスタよ、恐らく砂漠の国でお前勝てる奴はおらんじゃろぅて‥‥ハッハッハッ」
腕に抱えて石柱にヒビが入り‥砕けた!
「先生‥これ‥刀‥?」
「卒業証書じゃて!今日からクレスタ改め、
黄竜刀の剣士 眩星
と名乗りなさい。」
「‥ハイ‥(‥グスン‥)」
2年半の修行で、太陽光に髪の色素が殺られ、砂漠の砂の煌めきと太陽の光で目が眩むほどの金髪
、昼間に輝く星の如し。
皮膚は浅黒く、アスリートのごとき肉体を持った
眩星はスパーダーと別れサンドラへ向かった。
大毒サソリの猛毒を治癒する為、ドラゴン竜気を使いスパーダーを助けたサンドラ。
幸か不幸か、毒と竜気の力が肉体に変化をもたらし、長寿の男になったスパーダー。
今現在624才。
「これで良かったか?お前‥」
(((~ヒュゥゥゥ――――ェェ―――――――)))
生暖かい目で宜しくお願いします。ね。




