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異界奇譚☆くノ一  作者: 一心プラン
次の三歩 忍び足
33/45

くノ三十三 卒業証書

眩星がいた夏は遠い夢の中

空に消えて行った打ち上げ花火



読んで頂いている方々ありがとうございます。

砂トカゲの足は異常に早い。

最初は2週間で一匹が関の山。

砂漠の暑さに加え、砂に足を取られ走るのも儘ならない状態だった。

しかし、叙々に体が慣れてきて10日で1匹‥

5日で‥今では1日2匹までとなり、汗も余りでず、足腰が強くなり強靭な肉体の持ち主となった。


砂に沈む前に次の足を繰り出し蹴り‥を繰り返す内に、砂の上を滑る様に移動する術を会得したのだ。


「先生、今日は大漁!23匹捕まえました!」


「夜は串焼じゃな。」


その夜、

「まだ半年近くあるが、充分じゃよ。」


「何が(モグ~モグ‥)充分なんですか?」


「砂トカゲ100匹試験は終了じゃ。」


最初、意味が分からなかったクレスタ、

「試験?‥終了‥‥先生‥!」


「あ~そうじゃよ。卒業じゃ。」


砂トカゲの串焼を、嬉し涙と鼻を垂らしながら、クレスタは照れ隠しし、

「(グスン‥)しぇん生‥ありがとう‥ございます(ズッ‥ゥ)

この串焼は塩が効き過ぎね‥」


次の日、身支度を整えたクレスタは、

「先生この2年半、本当にありがとう御座いました。」


頭を深々と下げ礼をしたクレスタ。


「辛い修行によくぞ頑張ったのぉ~クレスタよ。」


へのへのもへじーさん‥スパーダーは、草が生えた脇にある石柱の元へ行き、土に埋もれた石柱を引っこ抜き、クレスタへ差し出した。


「これは、卒業証書じゃ!受け取れ!ホラ!」


直径30センチ長さ1メートル50はあり、おもさは60キロほどのモノが卒業証書‥仕方なくてを差し出し受け取った。

確かに重い‥重いが自分は何ともない‥前までなら重さに負けて落とすか、自分が尻餅を突いていたが、全然何ともない‥

「ウソぉ‥」


「クレスタよ、恐らく砂漠の国でお前勝てる奴はおらんじゃろぅて‥‥ハッハッハッ」


腕に抱えて石柱にヒビが入り‥砕けた!


「先生‥これ‥刀‥?」


「卒業証書じゃて!今日からクレスタ改め、

黄竜刀(おうりゅうとう)の剣士 眩星(くれすた)

と名乗りなさい。」


「‥ハイ‥(‥グスン‥)」


2年半の修行で、太陽光に髪の色素が殺られ、砂漠の砂の煌めきと太陽の光で目が眩むほどの金髪

、昼間に輝く星の如し。

皮膚は浅黒く、アスリートのごとき肉体を持った

眩星はスパーダーと別れサンドラへ向かった。





大毒サソリの猛毒を治癒する為、ドラゴン竜気を使いスパーダーを助けたサンドラ。

幸か不幸か、毒と竜気の力が肉体に変化をもたらし、長寿の男になったスパーダー。

今現在624才。


「これで良かったか?お前‥」

 

(((~ヒュゥゥゥ――――ェェ―――――――)))


生暖かい目で宜しくお願いします。ね。

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