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異界奇譚☆くノ一  作者: 一心プラン
次の三歩 忍び足
29/45

くノ二十九 パクパク

忍者ノート2 忍具 スーパー消しゴム


絵の具 クレヨン どんなモノも消せる

壁 アスファルト コンクリー

どんな場所も消せる スーパー消しゴム


読んで頂いている方々ありがとうございます。

「パクパク‥ワシに何か用かいな?パクパク」


彼女はパクパクする口に目を取られ、つい連られて無意識に、

「パクパク‥私を仙人様の弟子にして下さい!」す


鯉特有の円らな目を更に見開き、

「OKじゃ。ンじゃね~ソコの滝壺に入って、何か捕まえてきて。メシにするからさ。」


彼女は焦っていた‥直ぐにでも修行を始めて両親の仇討ちをしたいのに‥


「は‥はい‥」


彼女は、声を押し殺し言われるがまま滝壺に入った。


滝壺は思いの外、水面からの流圧の衝撃で渦を巻き1度入ると、中々抜け出せない水の蟻地獄だった。


彼女は必死に悶ガキ、命化ながら脱出に成功し水面から上がると、

「合格じゃ。御主の名前は?」


弟子になる為の試験だと分かった彼女‥

‥そして、合格‥

滝壺の渦に揉まれ、体温を奪われた青い唇で、

「せ‥れっ‥セレナ‥で‥す」


「セレナよ、ワシが教え授けるモノを如何にする?」


「‥殺された‥両親の仇討ち‥を‥」


「良かろう。ワシの修行は簡単じゃ、滝壺から泳いで滝を登り切れれば終了じゃ。」


セレナは絶句した。人の力で滝を‥況してやこの大滝を泳いで登れるのか?‥


あの事件が6才、剣術を習い3年、龍仙人を探し更に3年、12才の少女は覚悟を決め一言、

「ハイ。」

とだけ口にして、地獄の修行が始まった。


‥‥‥‥‥


嵐の日も凍てつく寒い日も修行し、時には落ちてきた流木よ氷塊などにより、大怪我も少なく無かった。

修行を始めて13年。セレナが25才の時


「良し!そこじゃ!足をモット‥そう‥あと少し‥もうちょっ‥ヨッシャ――――!」


滝を登り切りそのままの勢いで、上空に飛び出し宙返りをして喜ぶセレナの姿に、感動して泣いていた龍仙人。


今度は上流の川から、滝スレスレにダイブして戻ってきたセレナ。


滝壺から上がり笑顔を見せ、濡れた青い髪をかきあげた彼女の肉体は、水泳選手特有の逆3角形で、無駄の無い筋肉と柔軟さを兼ねそなえたボディの、ホソマッチョガールになっていた。


龍仙人の前に行き、方膝を付き頭を下げ、

「御師匠様、大滝を登りきりました。」


セレナが言うと龍仙人は、

「おめでとうセレナよ。ワシの修行を終わりじゃ。今日から名を青烈(せれな)とし、これをお前に授ける。」


龍仙人の重々しい杖を受取った青烈。

すると‥杖がみるみる姿を変え刀になった。


「それは、青竜から貰った青竜刀だ。

持って行きなさい。」


「ありがとうございます。そして‥

ありがとうございました‥‥」

 



「これで、奴との約束も果たせたワ。パクパク」



‥‥‥‥‥‥‥




グラン城下町にある、スウィーツ専門店で丸い生地にが5段に重なり、生クリームが掛かった

パンキーケを方張りながら、1人願がえこむ

青烈の姿があった。


《おいおい‥食い過ぎじゃねえか?それで三皿目だぜ。》


《うっさい!アクアは黙ってて!集中してるんだからさ!》


《へいへい‥静にしてますよ。》







生暖かい目で宜しくお願いします。

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