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うさ星物語  作者: うさ
はじまりの章
4/6

~彼方へ願いを~


時が経過しエリスは地球で成人を迎えた


美しい容姿だが表情は無いままだ


求婚する男性も空気の様にスルーしていた



挿絵(By みてみん)



脳内端末に余計な「お勧めニュース」が入る


”ダイソン球Lv.2.2の信憑性”


”タキオン届かず?コンタクト失敗か”


”危険行為と批判も相次ぎ中止”



これは、超高度文明と見られる天体へ時を遡る素粒子で通信を試みたが


応答が無く無駄だから止めるというニュース。


また、この天体は恒星が小さくなってゆく様な挙動を示し


外周にネックレス状の惑星郡らしきものが観測され興味と恐れを巻き起こしていた



エリスは何か引っかかるものを感じながら、この「お勧め」を削除した


街の中で時折「うさぎ」の装飾に目が止まり


少し奇妙な感覚を覚えるが首をかしげスルーした




ある日、成人による資格で自分に架けられたペアレントコントロールを解除した


早速余計な「お勧め情報」が来る


小さなアイコンが浮いていて


”うさ星 先行投資情報” とある。


紛争が原因で、20年間人類の立ち入りが禁止された惑星が


いよいよ解禁になるようだ。



怪訝な表情で削除しようとするが何故か開いてしまい


そこからうさ星の情報をずっと追い始めた



そして、過去の記事に目が止まり胸に手を当てずっと見つめた


”テロリストから少女を救出”


更に情報を探り始め表情が強張っていった


”うさ星人クローン販売”


”急増した闇取引と投機崩壊"


”クローン保護 間に合わない”


急に鼓動が激しくなり息が苦しくなる。自分でも理由がわからない。


脳内端末がバイタル警告と処方を提案したが無視し外へ飛び出した




エリスは雨が降りしきる街を魔物を見た者の様な表情で歩き続けた


保護されていない生物の位置情報をサーチし続け


そして薄暗く狭い場所に、うさ星人クローンを見つけた


捨てられて、ぼろぼろになって・・・今にも死にそうな。。


飛び付くように抱きかかえた


「しっかりして!」


うさぎは薄目でエリスを見上げた


「今助けてあげるから、がんばって!」


3Dコンソールを開き体内ナノマシーンに指示する


自分の指を噛み出血させ、うさぎに飲ませようとするが、


うさぎは飲もうとせず、暖かな表情になって


「ありがとう・・・」


そう言って、エリスの腕の中で息を引き取った・・・


突如うさ星の記憶が全て蘇ってきた。


エリスの表情はどこまでも崩れてゆき唸り声で泣き崩れた


いつのまにか雨は雪に変わり、まるで星が降る様になっていた




その日以来エリスは毎日星空に向かい願い続けた


しかし子供の時に聞いたあの声は聞こえない・・・


あれは夢だったのか・・・そう思いながらも願うことをやめられなかった。




そんなある日、あなたへのおすすめ情報が浮かんでいた


その記事を見てエリスは何かに取り憑かれた様になった




ある日、エリスは宇宙ステーションから宇宙服で飛び立った。


タキオン送信衛星に辿り着くと、微細マシンを注入し強制物理ハッキングを始めた


間もなく送信の準備が整う頃、周囲で発光が起き始めた




いつかの黒と白のロボットが戦闘している


エリスは驚き強張りながら作業を続けた


白ロボットがエリスをかばい次々撃たれてゆく


エリスは装置を使って願いを叫んだ・・・と同時に、


黒ロボが放った砲撃はエリスと送信衛星に命中し、


衛星は閃光を放ち、輝きながらバラバラなっていった。





この事件からしばらくして奇妙な信号が地球に届き始めた


解析の結果、仮想言語で「人類を滅亡させる」という内容らしい。


いたづらと思われたが、暫くして外縁天体に異変が見つかる。


地球の文明では解析不能な謎の装置があり、


そこから何かが飛び去った事が観測衛星より見出された


これは最高機密とされたが情報はリークされ、


更に"うさ星から未知の武力が襲来する"という未来情報が観測され


恐怖が叫ばれ噂が広がった 


これは「不和と争いの女神 Erisの呪い」であると


未来情報からは更に


”うさ星からの脅威に勝利する戦争”が導き出され、


戦闘艦の製造が盛んになり、関連する投資がヒートアップしていった・・・




              ...



   未来情報システムからは一つに確定した情報は得られない


   あたかも複数の未来から同時に送られてくるかの様に・・・

 

いづれかの未来に辿り着くには、その解析条件通りに経過する必要がある


挿絵(By みてみん)

 



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