表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うさ星物語  作者: うさ
はじまりの章
3/6

~エリス(Eris)~


時は30年前に遡る


この頃人類は人智を遥かに超えたAIと


過去に遡る素粒子を使った未来情報システムにより


急速な発展を遂げていた


人類はAIの示す未来を信じ全てを委ねていた


そして夢の様な星 ”うさ星” に辿り着いた



挿絵(By みてみん)



そして、うさ星で初めての人類が誕生した


その子は 「エリス」 と名付けられた


星間旅行中、太陽系で最後に目にした準惑星「Eris」に因んだ。


「この子に相応しい素敵な名です」


AIは、そう優しく告げた


両親はエリスに、この星の住人達と仲良くずっと幸せに暮らして欲しいと願った



エリスはウサギ達と楽しい毎日を過ごした


ウサギの親達がお菓子を作ってくれて、皆でお茶会をするのが何よりの楽しみだ



挿絵(By みてみん)



ある日の深夜、エリスはベッドで目を覚ました


何処からか呼ばれている気がする


「だぁれ?・・・どこにいるの?」


ふと、窓の外を見ると星がキラキラしている


そこから呼ばれている気がしてならない


そっと外へ飛び出し夜の森を走った


空から声が届いてくる



『・・・願いを・・・伝えて・・・


・・・どんなに哀しくなっても・・・


・・・あきらめないで・・・』



森を抜けると星空が広がった


『・・・あなたの願いを心から伝えて・・・』



エリスは声の方をずっと見つめた


星空は心を吸い込むように、そして全てを包み込み


どこまでも広がってゆく様に見えた





ある日、ウサギ達から手紙が届いた。可愛い絵が描いてある


”しょうたいじょう 大好きなエリスちゃんへ”


手紙を胸にあてエリスは幸せいっぱいになった。


ウサギ達が楽しそうにパーティーの準備をしている頃、


街に不穏なニュースが流れた。


土地を失った者達がテロ事件を起こしたという・・・


パーティーの日、エリスの父親は誰かと言い争っていた


エリスはそっと家を抜け出し、ウサギ達の所へ駆けていった


ウサギ達がエリスを暖かく迎えた。エリスの誕生日会だ♪


エリスとウサギ達は幸せに包まれていた。




少し日が暮れ始め、そろそろ帰る時間となった頃


突如、外で大きな音がした。


窓から外を見るとロボット同士が射ち合っている


白いロボット兵と黒いロボット兵が戦っている


突然壁が壊されエリスが白のロボットに連れだされた


エリスはウサギ達の名を呼び続けた


黒いロボットがエリスを撃ってくる。白ロボ達が応戦する


そして・・・ウサギ達のいる家が”白ロボ”に撃たれ吹き飛ばされた・・・


エリスは愛おしい者をつかまえようと手を伸ばしながら、表情を失っていった・・・





医療施設で眠らされたエリスを両親は見守った


そして父親は苦しみながら懇願した


「この子の記憶を消してください・・・この星に関わる全てを・・・」


母親は涙ながらエリスに優しく話しかけた


「地球で、幸せに暮らそうね・・・」


不穏な状況を受け、地球行きの小型艇が臨時で出航した。


カプセル内で眠ったままのエリス。うさ星はどんどん遠ざかっていった



・・・・



地球に着いて、両親はAIに深い疑念を持つようになった。


地球に伝えられている情報がうさ星の実態とかけ離れていたからだ。


うさ星で外交官を務めていた父親は様々な活動を行なった。


しばらくの後、エリスの両親は稀な事故に遭い亡き者となった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ