~まほみちゃんの家~
今日も、うさちゃん達とうさわんは野山を走り回り廃墟の街を探検していた。
お気に入りの眺めの良い塔で一休み。
塔にはツル植物が生い茂り其処を伝って登ってきた。
ぽかぽかな陽気に包まれウサギ達はぼーっと街を眺めた。
塔と言っても、かつて地球人が放置した巨大な機動歩兵の残骸である。
大量に在り今は植物に飲み込まれ格好の遊び場になっている。
「おなかすいた〜〜〜〜!」
やんちゃウサギのエリザベスはすっかり栄養を使い切ってしまった様だ。
うさわんは、ふわふわのロップイヤーを風になびかせ凛としていたが途端にフニャッと潰れたおまんじゅうの様になった。
「そうね〜、そろそろおやつよね〜」
「おう!まほみちゃんち行こうぜ!」
「うん!いくいく♪」ウサギのミルラも目を輝かせそわそわし始めた。
そろそろおやつタイムの定番、まほみちゃん家に押しかけてのお茶会である。
もう準備している事だろう。
今日はどんなおやつが待っているか♪皆わくわくしながら道を行く。
まほみちゃん家は森の中の丘にある。
♪
道中、森に入ってからエリザベスはキョロキョロしていた。
「ねえ、まほみちゃんの家って何時からあった?」
ミルラも周りを見渡してから不思議な気分になった。
「そういえば・・・よくわかんない;;」
「でしょ、あの家見つけた時びっくりしたぁ」
うさわんもウサギ達の話に興味津々になった。
「最近ひっこしてきたの?」
「私のテリトリーにいつの間にかあったのです (`・ω・´) 」
「私のって、こらこら;」ミルラは相づちの様に突っ込みをいれた。
♪
森を登って行くと開けた場所が現れた。
一番高い場所に可愛らしい建物が見える。
煙突からふわふわと煙がたち良い香りが漂って来る。
しかしエリザベスの追求は止まらない。
「ここってちょっと前まで森だったよね・・・」
うさわんが辺りを見回すと?という顔をした。
「それは見間違えかも。切り株が無いでしょ・・・
木の根を抜くのは、とても大変なんです!」
いつも間抜けな姫様だが何故か詳しい。
だがエリザベスも怯まず。
「そうそう!ママ達が、まほみちゃんは魔法使いだって♪」
「え♪そうなの?」うさわんは嬉しそうに食いついた。
「はい・・・・私が広めました! (`・ω・´) 」
「 ! 」ミルラは固まった。
「もぉ~~~期待させないでよね」うさわんが頰を膨らませると、
エリザベスとミルラはその顔に見入った。
お饅頭か餅の様でふわふわしていて、なんだか可愛い
「え?どうしたの二人とも・・」
「アンコール♪ アンコール♪」
「え?」
♪
まほみちゃんの家の前は可愛らしい庭園風で、野菜やハーブが育ててある。
心地よい爽やかな香りの中を行く。
うさわんがハっと思い出した。
「そう言えば・・・私って魔法が使えるらしいのよ」
「おお!さすが王女様!かっこいい!!」
「すごい・・・」ミルラの目が釘付けになった。
「伝承だけど・・・あれ国家機密だった?」いつものボケ娘うさわんである。
エリザベスの表情が強張り
「これは!口外すると処刑されます!!」
「わー!!聞こえない!なにも聞いてないよー!;;;」
ミルラはパニックに陥りガクブルしはじめた。
エリザベスは何処か遠くを見つめ
「なんか・・・物心ついた時には知ってた気がする」
「はわわっ!エスパーですか!?」大慌てのうさわん。
「あ、親達も皆知ってる・・・処刑は勘弁して (´・ω・`)」
ミルラはペシャンコになった。
♪
家に着くと、まほみちゃんが瞳を輝かせながら待っていた。
テーブルには焼きたてのお菓子や茶器が並んでいた。
まるでぽかぽかな陽気はここから生まれているかの様。
いつものお茶会ほんわか幸せな時間。
大好きなひととき。