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なぜ近親愛はタブー視されてしまうのか?

作者: プラム博士

2018年5月5日 追記

※感想欄にて作者の不足した部分の説明などをしてくださってる方々がいますので、是非参考にしてみてください。


〇はじめに

前提として書いておくが、何も私が近親者に恋愛感情を抱いている、または抱いたことがあるわけではない。

そういう意味では自分にとって全く関係ないことだと言えるだろう。

しかしだからといって、それは無関心でいていいことの理由にはならない。


それは自分が同性に恋愛感情を抱いたことがないから、同性愛者がどんな扱いを受けても、精神的に苦しんでいても関係ないと割り切るのと似たようなことだ(同じかはわからないが)。

そういう理由でこの謎多き「近親愛」に関して考えていこうと思う。


〇どこで「近親愛」はいけないと学んだの?

ちなみに私は近親愛をタブー視する気はない。

いけないことだと考える理由がないからだ。

当人が愛し合っているならそれはすばらしいことだし、それに対して余計な悪感情を抱こうとは思わない。


むしろなぜ祝福できないのかの方が私的にはよくわからない。


アンケートをとったわけではないが、大抵の人は近親愛に関して強い不快感なり嫌悪感なり抵抗を感じているのは恐らく確かだろう。


私が一番疑問なのが、皆は「近親愛」がタブーであるといつ学ぶのだろうかということだ。

少なくとも私は学校の授業で聞いたことがない。

しかし何故かいつの間にかそんな考え方を持っている、これはどういうことだろうか?

あなたは思い出せますか?


〇想定される理由


・仮定1 実体験に基づいて

大体の人は家族の庇護のもとに成長することになる。

親なり兄妹なりetc……そんな大抵の一般人にとって家族は家族であり、恋愛対象ではない。

そりゃ子どもの頃は「パパと結婚する」だの「お姉ちゃんと結婚したい」だの言っていた人がいるかもしれないが。


しかしそういった発言の9割以上は実現されることはない。

大体の人は家族に恋愛感情を持たないのだ。

そうした彼らにとって、自分の家族に真剣に恋をし、結婚を望む人々は自身の理解の及ばない存在に思えるのかもしれない。


人は理解できないものに恐怖心、嫌悪を感じるものだ。

そういった未知の感情に対する無知さが近親愛のタブー視につながっているのかもしれない。


・仮定2 周囲、社会に同調して

次の仮定は同調するうちに価値観が形成されるというものだ。


現代社会において明確に「近親愛は駄目ですよ!」と誰かが言ったり書いたりしているのはほぼ見ない。

もっと深刻なことにみんなの常識として定着しているのだ。


ドラマなりマンガなりを想像してほしいが、妹キャラと呼ばれる彼らは主人公と結婚することはほぼない(0ではないと宣言しておく)。

その考えが当然であるかのように、

「お兄ちゃんとは結婚できないよ……だって家族だし」

「妹をそんな目では見られない…」

言っている。


その根拠は一体何なんだと思うし、馬鹿なのかな?と思ってしまう。

自分で勝手に考え出した鎖に縛られているようなものだ。


話を戻すがとかく社会では近親愛を肯定しているのが殆ど見られない(無いわけではないと思う)。

同性愛なら様々な本で「悩まなくてもいいのよ!」と書かれていたり、相談できるサービスなんかも多い。

しかし近親愛に関してはあまり見ない。


成長するうちにこうした社会の常識に知らず知らずのうちに染まっていくのではないだろうか。

もしかしたら、過去に日常的に起きていて、当時常識と考えられていた人種差別や同性愛差別もこんな感じだったのだろうか……と考えるとかなり恐ろしいことだ。




〇なんで駄目なの?

まず質問だが、近親愛はなんで駄目なのだろうか?

ちょっと理由的なものを考えてほしい。


・想定される理由1 病気、障害ができる

恐らく結構な割合の人が思い浮かべるであろう理由が「病気、障害を持った子供が生まれる」というものだ。

どうやってこれを知ったかは知らないが、割とみんなこれを口にすることだろう。


こういった説が出るのは血が濃くなるという考え方が大きい。

有性生殖によって数を増やす生き物は、自分以外との交配によって子をなす。

こうすることで遺伝子情報が少しずつ異なっていくため、特定の個体にダイレクトに効く病気が発生しても、全体への感染は防げるのだ。


しかし限られた近い範囲で繁殖すれば、特定の病気にみんな弱くなって全滅することもありえる。

障害に関しても遺伝子的にエラーが生じることもでてくるかもしれない。


しかし待ってほしい、それはちゃんとした根拠に基づいたものだろうか?

ちゃんとしたデータがあるのか?


まずこの近親間での交配によって障害を持った子が生まれるか、の正確なデータは殆どない。

そりゃ被験者に家族と子を作れなんて言えるわけがない。


つまりこの考え方は幾つかの例に基づく推測の域を出ない考えなのだ。

そんなことを根拠として言うのは馬鹿馬鹿しい。

肌が~色のやつは頭が悪い!みたいな主張と近い(厳密にいえば少し違うかもだが)。

障害を持った子など、どんなカップルだって生まれることはあるのだ。



・想定される理由2 法的に認められていない

次に考えられるのは「近親愛」は法的に認められていないというものだ。

しかし、だからなんだっていうのだろう?

法的に認められていないというのは、禁止されているということではない。

近親間での恋愛は逮捕されるようなことではないのだ。


そもそも愛というのはルールに認められて存在するものではない。

法によって身分差のある結婚が禁止されていた頃も、当人同士が愛し合っていたのは事実だし、今も同性愛が法律で認められているわけではないが彼らの愛は真実であり尊いものである。

愛の根拠を見せかけの常識に委ねるのは非常に馬鹿げた話である。



ちなみにほかの国では長い間生活し、数人の子もいた夫婦が兄妹であることが発覚し、逮捕されてしまったという話を聞いたことがある。

これは恐ろしい話だ。

他人への不理解、および配慮の無さや過去の妄信に囚われ続ける愚かな判断によって起こってしまった悲劇。

身勝手ながら今後の幸福を願わざるを得ない。


〇義理ですら抵抗があると考えるのはなんで?

私が一番疑問なのが保護者の再婚などで新しく出来た兄妹、いわゆる義理の身内であっても恋愛感情を持つことに抵抗を感じる人々がいる。

私からしたら洗脳でもされているのか?と思ってしまう。


血が繋がっているなら何かしらの抵抗を感じるのもまあわかる。

しかしある日突然できた家族であっても、わけのわからない抵抗感を感じるのはよくわからない。


※誤解の無いよう言っておくが、義理の家族は血の繋がる家族関係に劣ると言っているわけではない


〇一部のオタクは比較的抵抗感がないかもしれない

これは本当にどうでもいい余談だが、一部のオタクは近親愛者にたいして抵抗がないかもしれない。

私の希望的な推測に過ぎないが。


私もそこそこのオタクだからわかるが、彼らの趣向は多岐にわたる。

R18作品の一部では家族間でのあれやこれやはわりとよく見かける。

もしかしたらそんな彼らからしたら「へー」くらいと捉える人もいるかも知れない。


※繰り返すが推測に過ぎない。二次元と現実ではそもそも違うし、混同する人もあまりいないし。

だができたら彼らが差別的でないことを願う


〇理解しなくてもいいが、否定はしないでほしい

雑に結論に入るが、私がお願いしたいのは理解して欲しいということではない。


否定しないでほしいのだ。


みんな多種多様な価値観を持っている。

相手の考え方が理解できないのはもはや仕方ないとしても、否定しないというのが大事なのだ。


彼らには彼らなりの「愛」がある。それを自分が理解できないからと言って暴言を吐いたり中傷したりするのは馬鹿げたことだ。

これは同性愛でも宗教でも趣味でも何でも同じことだ。

このことだけはぜひ覚えていってもらいたい。


加えて、もしこの文章を近親愛者で読まれた方がいるなら、励みになることを祈る。

みんながみんな否定的というわけではないと、伝わったらよいのだが。



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― 新着の感想 ―
被害のリスクの高い恋愛は否定されるべき。 貴方の理屈を肯定すれば、小児性愛などでさえ肯定せざるを得なくなり、世の中が崩壊します。
[一言]  すみません。何度も。気にしすぎだとは思うのですけれど……  近親同士の愛(でも婚姻でも)が否定される理由に病気や遺伝をあげるのは、かなり危ういと思うのです。  第一に、傷害や病気は場所…
[良い点] 「当たり前」とされることについて考えるスタイルは好きです。 [一言]  残念ながら、私にとって「近親愛」は理解しても否定するものです。ホルモンの働きとして否定しませんが、制度として肯定しま…
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