魔力を持った少女
現れたのは少女だった。
金髪に木漏れ日が当たってキラリと光っていた。眼は森と同じ、深い緑色をしている。とても美しい顔立ちの少女だった。
「あの、何か?」じっと見つめてしまったダリウスは、少女の声で我に帰った。
「失礼、道に迷ったんだが町はどちらだろうか。」適当なことを話しつつ、魔力の元をたどる。この少女が魔力の発信者なのか確かめなければ。「町は、ずっと山を下らないとありません。」そんな事は知っていた。が、少女を引き止めなければ。「そうか、とても助かった。お礼したいが、生憎今は花の種しか持っていないんだ。とても綺麗な花が咲くよ。」少女に向かって種を差し出した。どうか手にとってくれ、と祈る。
「下さるの?ありがとう…」少女の手のひらに種を乗せ、指で包むように手を添えた。急に男に手を握られて少女はビクリとしたが、少女に握られた途端に花の種たちは姿を変えた。
種は色とりどりの花となって少女の手から溢れた。この少女だ、強い魔力の発信者は。
「あ、あの誰にも、誰にも言わないで下さい!!」少女は花を地面に捨て、両手を握りしめていた。「私おかしいんです、昔からなんです!変にならないように気をつけていたのに!!」顔を真っ青にして震えている。少女にとって魔法はおかしいことのようだ。変だと、周囲からも言われてきたのだろう。
「誰にも言わない。だから怖がらずに、ちょっと見ていて。」ダリウスは少女が落とした花の一つを拾い、両手で包んだ。そして優しく息を吹きかけると、花は蝶へと姿を変えヒラヒラと飛んだ。少女は目も口も見開いてダリウスを見つめた。「僕も同じことができる人間だ。君はおかしくなんかない、君は魔法使いに向いている。」
読んでくださり、ありがとうございます。




