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第74話 7海の覇王

「なんだぁ!?あいつは!」

「俺が聞きたいよ!」

どう考えても次元が違う。このステージはプレイヤー1人を殺すと統一で1Pの様だ。

それを踏まえて彼のポイントを見ると28P。今の一撃で28人殺した事になるわけだ。

頭がおかしい。と、思ったがなんだこれは。

ランキング表を見ると1位は目の前にいるコイツだろう、偽名(コードネーム)はクロノムクロ。

そして、2位暗殺者メリィ19P……どんだけだよこいつら。

「とりあえず隣の広場に移動しませんか?彼と同じ場所にいるのは危険すぎます。」

「そ、それもそうだな。」

でも、どっちへ行く……?多分どちらかには暗殺者メリィ。つまり2位がいる。それじゃ状況は変わらない。どっちへ?一体どっちの広場へ行けば。

「レンくん、こっちなら安全だよ。」

「カムイ!?」

「彼は僕に任せてよ。」

「お前1人に任せられるわけないだろ!いや、ナナカちゃんもいるか。それでもだ!」

「あれが僕の言ってた殺したい相手なんだ。こればかりはレンくんにも邪魔されたくないんだ。」

「……っ。」

どうする。今は他メンバーの安全確保を最優先するべきか。

「わかった。けど、俺らのやる事終わったらすぐ行くからな。」

カムイは返事をしなかったが、俺はその場を後にする。


×××


「本当にこっちは静かだな。まだ戦いなんて起こってねぇみたいだな。」

「でも、何かおかしくないか?」

「おかしいってなんだよ、レン。」

「みなさん、既に戦意を喪失しているように伺えます。」

「そういう事だ。」

確かに大半のプレイヤーがさっきのクロノムクロの事を知っているんだろう。噂には聞いていたが、ランク6を停滞させてるっていうのは間違いなく奴だ。

だが、それだけだとは思えない。さっきからこの辺も少し変わった空気が流れてる。

「……ウルフ。」

俺の固有能力の一つとして、嗅覚聴覚の強化がある。それを使って辺りの様子を伺い始める。

「微妙だが血の匂い。それとこれは……。」

「どいてください。」

メイさんに押され、尻もちをつくが俺が立っていた所に突然ナイフが飛んできた。

「あはは!お姉さん勘がするどいね!それに比べてお兄さんにっぶいなぁ!こんなのがふぁみりあ?とかいうギルドのリーダーかぁ!雑魚だね!」

聞こえてきた子供の笑い声の正体はこいつか。何者だこいつ。見た感じ小学生高学年くらいだろうが、そんなガキがいきなりナイフ投げてくるってどんだけ狂ってるんだ。

「う、うん。そうだね。このお兄さんは凄い弱いね。多分、そっちのお姉さん2人が一番強い、と思う。かな。」

「俺もそう思ったよ!考える事は一緒だな!」

2人目は女の子……?2人とも鉈を持っている。もしかしてこの2人。

「誰かと思えばあの時のガキ共じゃねぇか。」

「あ!誰かと思えばこの前のアホなおっさん!」

「おっ……!?俺はこれでもまだピチピチの20代後半だぞ!ゴラァ!」

「ご主人様。多分一般的に20代後半をピチピチとは言わないと思います。」

「そ、そうなのか!?」

何でそんなふざけた話をしていられるんだ。相手は大型ギルドに誘われてたプレイヤーなんだろ……?ってシンドもなのか。

「いやさぁ、俺ら?ここで1位になるのは当たり前として、その前にドリームメイトに実力を認めてもらうために手柄を作ろうと思ってさ。それがあんたらのギルドってわけだよ。探す手間省けたよ、あんがと!」

最悪だ。つまりどの広場にも強プレイヤーがいる状況が成立してる。どこへ逃げても危険が隣り合わせ。なら1位2位のいる場所よりここが安全?いや、若しかしたらこいつらの方がその2人よりも危険かもしれない。俺は何をやってるんだ。殺す事しか戦う事しか出来ないのか。

ヒナを守るんじゃなかったのか。こんな所で迷ってどうする。

「ちょうどいいじゃねぇか!」

「え……?」

「あのクロノムクロって奴はカムイがやってくれんだろ、それであいつが1位だ。そんでこの2人は俺とメイでやる。2時間くらいしかねぇこのステージだ。お前が暗殺者メリィって奴をやんだ。そうすりゃ全員で帰れる。自分を信じねぇ奴に勝利の女神は微笑まねぇぞ?」

「でも、2人で大丈夫なのか?」

シンドはニッと笑い腰にかけていた銃を子供に向ける。

「俺を誰だと思ってやがる。俺はァ、7海を統べる覇王を目指す男だぜ!必ずお前らんとこへ帰る。肘洗って待っとけ!」

シンドの度胸とその真っ直ぐさは見習わないとかもな。お前、最高にかっこいいよ。

「待ってるからな!」

ヒナとニーシャ、ミホを連れて走り出す。

みんなで生き残るために、全力で。




「ご主人様。肘ではなく、首ですよ。」

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