第41話 申し訳ありません。
そして、ランク3は終わった。
俺の心に大きな傷を残し、残酷にも呆気なく終わりを告げたのだ。
だが、立ち止まるわけにはいかない。
ヒナと約束をしたんだ、生き残ると。
それなら俺に出来ることはそれだけだろう、前を向いて先に進むだけ……。
ただ、もう少しだけ俺を休ませてくれ。
×××
俺は目が覚めると思ったよりスッキリした。
外へ出ると聞き覚えのある声がしたのだ。
「おー!ヘンだねー!」
「レン、な。なんだその悪意のある間違え方は……。」
「にゃっははー!間違えちゃったねー!ごめんごめん。」
ニーシャ、現在ランク4まで突破し、神様にお祈りしようの会なんて胡散臭いとこのお頭をしているようだ。
「そういえば、ランク5はもうクリアしたのか?」
「いやー、それがねー。まだ参加もできてないんだよねー。」
参加も出来ていない……?どういう事だろう。
「それってどうして。」
「なんかー。準備が必要らしくてねー。もう少しかかるらしいんだよねー。だから、みんなでお祈りして待ってるとこだよー!」
そんな準備が必要なのか、ランク5は……。
それにお祈りして待つって……、無駄だと思わないのだろうか。
まあ、そういう事なら聞いてみよう。
「ランク4について教えてもらえるか?あ、まさかまた条件付くか?」
「タダでいいよー!前回はたまたま仕事があったから頼んだだけでー、そんな情報渡すのになにかもらったりなんて、ずるい事はしないよー。」
「へー、ちなみに入会とかもタダなのか?」
「それはもちろんもらうよ。神様にお祈り出来るんだよ?タダでいいわけないよねー。」
それも十分ずるい事なんじゃないだろうか、という本心は隠しておこう。
「あーけどねー。説明書がー、あんま情報をもらすなーって怒ってたからー。ちょっとした事しか言わないよー。」
説明書が口止め?やっぱり対策とかされるとエンターテインメントとして欠けるからか?
まあ、あいつの思考なんて考えたってわからないよな。
「それだけでも助かる。」
「えーっとねー。星5には近付くな、だねー。じゃあねー!」
「あ、ちょ、それって……。」
俺が呼び止める間もなくニーシャは行ってしまった。
星5……?星5ってなんだよ。
ゲームが始まればわかるんだよな?とりあえず星5には近付かないって事を肝に銘じておこう。
「どうした?坊主?暗いなぁ。今の空くらい暗いぜ?」
「ご主人様、今は昼です。それも雲一つない晴天でございます。」
なんだろう、こいつら。
1人はピンク髪のセミロング、胸は小さく、両手首に鉄球の付いた鎖を付けたメイドと。
タオルを額の辺りに巻いて、髪をオールバックにしている男。
格好はだいぶアラビアンな感じだった。
ウザイくらいに話を聞いてこようとしたので仕方なく、話す事にした。
×××
「へー、ヒナを殺したのかー。」
「ヒナを……知ってるのか?」
「知ってるも何も、俺は同じ56期の最強────」
こいつが56期の最強プレイヤー……?そんな雰囲気はないんだが……、能ある鷹は爪を隠すってやつか?
「のプレイヤーの主人だぜ!」
「ご主人様、誠に恐縮ながら今のはダサい、と思います。」
こいつじゃないのか……って主人?って事は最強プレイヤーって……。
「あんた……なのか?」
「はい。メイが56期の最強プレイヤーです。自己紹介が遅れました、当主のシンドとメイドのメイです。」
「もちろん、シンドってのはシンドバットから来てんだぜ!俺は何れシンドバットのような大きな男になるからな!」
こいつはどんなに頑張ってもそんな大きくなれる感じはしないな。
確かに心は広いのかもしれないがな。
「そうなのか。あんたら次はどこなんだ?」
「あー、それがな。ランク5で足止めくらってんだよ。準備とかめんどくさいよなー、まったく。」
この2人もランク4を突破したプレイヤーなのか。
「多分、お前これからランク4だろ?さっきの会話少し聞こえてな。」
「そうだけど、なんだ。」
「星5にはマジで気を付けた方がいいぞ、マジでやばいから。」
「ご主人様の言葉はとても下手くそだと思いますが、今回だけはそうですね。確かにヤバイです。かなり。」
そんなにやばいのか、56期最強から見てもヤバいって星5が何かわからない。
だけど、もう相当危険なものなのは伝わった。
「後そうだな、絶対1人で行動しない事をオススメするぜ、もし遭遇した時どうにもならねぇからよ。」
それは出くわしたら迷わず逃げろって事か?
出来れば出くわさないのを祈りたいよ。
ニーシャの影響じゃないが、こればっかりは神頼みさせてもらうよ。
「ありがとう、情報は助かった。それじゃ。」
俺はシンドとメイに別れを告げ、ショップへと向かう。
「そういや、ランク4って事はあいつと一緒になるのか。」
「そうなりますね。」
「56期一番のバカと一緒とは、そりゃ災難だな、せいぜい頑張ってほしいぜ。」
「そうですね、彼といたら間違いなく命は危ないですね。それとご主人様。」
「ん?なんだ?」
「昼間じゃあんまりかっこつきませんよ。」
「おい、それを言うなよ。」
「申し訳ありません。」




