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第40話 姉妹

「あれ?ごめんね。僕は5だよ。」

「な!?あんた勝つ気あんの!?」

当然だよ、僕に負ける気はまずない。

これは確かに無謀だね、普通の人にならね。

だけど、僕は違うよね。

だって僕は運がいいんだからさ、それが才能なんだ。

ならこれくらいは勝たなきゃ、それは才能とは呼べないよね。

僕には実力も運もある、欠点のない"神"に最も近い人間なんだよ。

「弾は6分の1なんだよ!?それを5発って……バカすぎる。何か言ってやってよ、ナナカちゃん!」

「その、カムイくんなら、勝つと思う、から。大丈夫、です。問題は勝った後だと、思います。」

勝った後に問題?

12歳の彼女がルールも守れないような子な可能性は限りなく低いと思うんだ。

それに僕は無意味に5発を選んだわけじゃない。

もし、彼女を殺すのを狙えば僕だって死ぬ可能性はある。

だけど僕の決めた5発、これを僕が成功させれば彼女は死ぬかリタイアするかになる。

更に僕には圧倒的な運がある。

これが僕の狙いだよ。

それに僕の"才能"ならやりきれるはずさ。

「じゃあ、始めるけど。いいよね?」

「うん!いいよー!(5発なんて死ぬに決まってんじゃん!バーカ!)」

そして僕は自分の頭に銃を当てる。

1発目……カチッ。

「よかったね!1発で死ななくて!」

「あはは!そうだね。」

2発目……カチッ。

3発目……カチッ。

「カムイくんなら……出来ます。」

「本当に出来ちゃうんですか?ミホさん。」

「私にだってわかんないよ。もう、信じるしかない。」

4発目……カチッ。

「嘘でしょ!?……ど、どうせ次で死んじゃうよ!」

「いいや、僕の勝ちだよ。」

5発目……カチッ。

「は……はあああああああ!?」

「さあ、アリスさん。撃つか、リタイアか選んでもらえるかな?」

「カムイくん、逃げて。」

逃げる……?あー、ルールを破るかもしれないんだったね。

それでも大丈夫さ。

「僕の心配はいらないよ。」

「ルールなんて知らない……。」

彼女は何かを呟いた。

「アリスの作ったルールじゃないルールなんて知らないもん!アリスが決めたルールだけがルールなの!アリスは負けないの!」

「カムイくん!」

僕の腕をナナカちゃんが強く引っ張る。

「みんなも死にたくなかったら、逃げてくだ、さい。」

「いったいどうしてこうなる事がわかったんだい?」

「わかったんじゃ、なくて。そんな気がしたんです。あの子はお姉ちゃんで。お母さんが違う、らしいです。13年前にこのゲームに参加して、その私が生まれる前だったんですけど。写真も見た事あった、し。性格はわがままだって。」

unknownとナナカちゃんが姉妹?

予想もしていなかったよ。

今参加しているプレイヤーとリアルで知り合いの関係があるプレイヤーがいるなんて。

「私の、聞いた話通りなら、こうなるなって思った、の。」

「けど、大丈夫だよ?ナナカちゃん。」

「え……。」

「僕が何の考えもないわけないよね?」

ありえない、とは思ってたけどルールを破ろうとした場合の対処もしてあるんだよ。

「そう、だよね。ごめんね、余計なこと……」

「いいや、嬉しかったさ。」

ナナカちゃんが頬を赤らめながら喜んでいるのがわかった。

さてと、攻撃されたとこで問題はないんだよね。

彼女が攻撃を支持しようとした時だった。

『ランク3を終了します。』

と、通知が来た。

「え!?嘘!こんなとこで!……お兄ちゃん、次は絶対に殺すからっ☆」

「ははっ。出来ればもう会いたくないね。」

『レンチームの勝利です。』

やったんだね、レンくん。

君はまた大きな壁を乗り越え、僕の求めるプレイヤーへと近付いていく。

そう、君にはより強くなってもらわなきゃならないんだよ。

ねえ、君はいつ僕の求める彼のような存在になってくれるんだい?


×××


数分前────。

「お前の才能は『読心』か……。」

「そうですよ、先輩。だから、諦めてください。」

「いや、俺の勝ちだからさ。」

俺は2人に分かれる。

俺の才能は『分身』、2人にまで分かれる事が出来る。

分身時間は5分、発動間隔なし。

読心したって2人の体を凌ぐのは無理だろう。

案の定、分身の刀がヒナの腹部を貫いた。

「お前が俺に勝てるわけないだろ……。わかってんだろ、そんくらい。」

「あはは……。そうですね。」

俺は倒れるヒナを抱え、そこに座る。

「あたしです、ね。満足したんです。先輩に……大事だ、って思えてもらえて。」

この後に及んで何を言ってるんだ、こいつは。

俺の甘さは捨てきれない、こうやってトドメは刺せずにいるのだから。

俺はそこまで非情にはなりたくもなかった。

「なんで……こうなっちゃったんですかね?私……嬉しかったんです。また、先輩に会えて……、また一緒にいられるって思って。なのに……なんであたしたちで殺し合わなきゃならなかったんですか……。悔しい……です。」

聞けるなら俺だって聞きたい、俺だって悔しい。

なんでヒナを俺の手で殺さなきゃならなかったんだ。

なんでヒナは死ななきゃならなかったんだ。

「最後にわがままなんです……けど。あたしの大好きな先輩……絶対生き残ってください。絶対です……よ?」

「ああ!わかった!今言うことじゃないかもしれないけど……俺もお前が好きだったのかもしれない。」

「それはずるいですよ……。そんなの聞いたらせっかく潔く死ねるかもしれなかったのに……死にたくないって思っちゃうじゃ……ない、ですか。」

ヒナは泣き出していた、俺は確かに卑怯だ。

あの時逃げ出したくせに、このタイミングでそれを言うんだ。

ただ、あの時俺は裏切られたと思って逃げ出した。

それはこいつが好きだったからこそ、それだけ傷付いたんじゃないんだろうか。そう思ったんだ。

「────でも。」

「でも?」




「あたし……最後に先輩に会えてよかったです。」

それだけ言って、彼女の体から力が抜けた。

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