第19話 僕の才能は……
それに何がともあれ、やっと僕の出番のようだね。
「さあ、トドメは任せますよ。先輩。」
「は!?自分で殺らないの?」
「僕はこれからたくさん殺しますし、何より僕は彼に強くなってもらわないと困るんですよ。」
と僕は彼女に微笑みかける。
「彼って、レンの事?」
「そうですよ。まあ、込み入った話は終わってからどうですか?ほら、逃げちゃいますよ、彼。」
僕はそう言って、僕が両腕を落としてしまった彼を指差す。
「……。まあ、そういう事なら。」
彼女は瞬時に斬鉄丸の方へと移動し、胸のあたりを貫く。
「ゴハッ。……む、無念なり。」
『プレイヤーが減りました。』
今回のステージ、ランク2だとこのプレイヤーが減った時の通知は一定範囲内だけらしいんだよね。
じゃないと通知がうるさくて仕方ないって事だろうけどさ。
それと僕に気付いて彼も来たようだよ。
「……カムイ!お前こんなとこで何してんだ。」
「ははっ。僕は彼女の助太刀をしただけだよ?ほら、君らもレベル上がったでしょ?」
「確かにいきなり60くらいまで上がったからびっくりしたけどな……。本当に何が目的なんだよ。」
一気にそんなに?ああ、そういう事か。
ミホさん、彼女が自分の分も2人に渡したんだね。
ランク1の時、協力でも試したんだけど、どうやら協力関係にある者同士はクリア後の経験値をもらわずに仲間に渡す事もできるようなんだ。
さて、そろそろ彼に視点を返そうかな。
では、みんなまた会おう、ね?
×××
「なんで、こんなにレベルが上がったんだろう。」
「私の経験値も上げたからだよ。」
ミホの経験値を……?
「なんでそんな事を?」
そうだ、当然ミホも強くなった方が今後やりやすいはずなんだ。
俺らに分けたとこでミホへの利益になるとは考えにくい。
「万が一のためだよ。ディーンとの決戦が起きた場合、私だけじゃ手に負えないと思う。現に斬鉄丸だって私だけではきつかった。その時用に2人に経験値を渡したんだ。」
「そういう事か。そうだよな。」
もう次からはミホだけに任せたりなんてしない、そうしなきゃな。
「じゃあ、今度はカムイ。お前に話だ。この前のあれは間違いなく事実なのか?」
「ははっ。僕が嘘をつく意味がないとは思わないのかい?」
それもそうだ。
あんな嘘をついたって意味はない。
俺の運が良かった、それで済んじまう話だ。
「ねえねえ。レンくん、この前のって?」
「そういえば、話し忘れてたな。この前のってのは57期の生き残りが俺らだけって事だ。」
俺らとはそのままの意味だ。
俺とシーナとカムイとナナカの4人、それ以外は全員死んだらしい。
「じゃあ、カムイ。お前はどうやって生き残ったんだ?お前の才能とか?」
「そんな大層なものじゃないよ。運が良かっただけだね、レンくんが投げた箱につまづいてさ、その時たまたま中に手が入って吸い込まれたってだけだよ。」
そんな事で生き残れちまうのかよ……!
俺はあんなに苦労したっていうのに。
なんか腹立つな、こいつは腹立つな。
「そういえば、みんなはあっちの街へ行くのかな?あっちは行きやすいからプレイヤーが集まると思うんだよね。」
それもそうだが、反対側は山に森に廃墟にかなり険しいルートになっている。
そっちに行くなら、こっちだろうと思ったんだが。
「僕らはあっちに向かうんだけど、どうかな?みんなも、さ。」
「人数は多いに越したことはないし、いいんじゃないかな。」
「まあ、ミホがそう言うならそうするか!」
俺らは歩き出す、山へと向かって。
「それでカムイ。ランク1でどんな才能だったんだ?」
こいつと話すのは未だに少し抵抗がある。
けど、こいつは何かと俺に関わってくるし、情報はたくさん持っておきたい。
「僕のランク1の才能、ね。それは何れ教えるよ。今はまだその時じゃないんだ。」
「今はその時じゃない?……相変わらずよくわからないやつだな。」
色々聞きたいことはある。
なぜ俺に肩入れをするのか、というかストーカー行為をしてくるのか。
ナナカちゃんとの関係とか。
けど、今聞いたとこで同じような返答で流される気がしたから、聞くのをやめる。
こいつは間違いなく運のいい奴なんだろう。
俺があんな必死にunknownから逃げたってのに、こいつはたまたま転んでとか、自分の運の悪さを呪いたくなる……。
「ねえ。えーっと、カムイ?くん。の今回の才能は何なの?斬鉄丸の腕を切ったのとなにか関係あるでしょ。」
ミホがそれを聞いたとこで多分こいつは喋る気ないだろう。
ましてや今回のゲーム内の才能を今喋るわけ……
「僕の才能は『未来視』だよ。」
喋った!?それは、喋ってもいいのか?
てか、未来視……?ん?
「一種の未来予知ってやつだね。」
俺はカムイのその言葉に耳を疑った。




