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ある兄弟

古代ギリシャ、この国に住む者の民家や神の創造したものを祀る神殿はそれぞれが寸法ピッタリに削り出された石で作られており微細なズレをも許さない。


日は西に傾きカラスの鳴き声と共に少年達の声が聞こえてきた。

10代半ばほどの三人の少年達は一人の少年を囲んで笑い者にしている。

三人の少年のうち最も大きな体をした少年が"見たまま"を言った

「やーいやーい!お前の父ちゃんはいつもフラフラ出歩いてばっかの浮気者だ!」

三人の少年のうち最も華奢な体をした少年が"ありのまま"を言った

「あんたの親父が見たこともないキレイな女を連れて家に入っていったんだ、僕らはそれを見たんだ!」

三人の少年のうち中肉中背の体をした少年が"思ったこと"を言った

「ダメだなぁ、ダメだよねぇ、ダメだぜぇ?おめぇの親父さん不倫してんじゃねぇか?」

「……」

囲まれた少年は何も言葉を返せない。今にも泣きそうな顔でただ地面を睨み付けるしか出来ないでいた。


その時


「こらー!てめぇらまたアレスをいじめてるなぁ!」

「まったくデネ、アル、ベガは毎度毎度よくそんなにアレスをいじめられるね」

アレスは見覚えのある顔に向かって声を出した。

「オリ兄ぃ!トリ兄ぃ!」

囲まれていた少年、アレスより幾つか歳が上の、しかし青年というにはまだおぼこさが残る顔つきのオリオンとトリトンである。

荒っぽい口調のオリオンが言った

「てめぇらは本当に暇なやつらだなぁ!もう日も沈む、さっさと帰って俺は飯を食いてぇんだよ!」

最も大きい体を持つデネは少し気圧されながら何か言い返そうと口を開いたが相手は年上、あまり下手なことを言って痛い目に合うのは馬鹿げていると考え

「いやぁ~ぼくらは別にアレスを苛めてなんか、、

あぁーなんかぼくらも飯食べたくなったなぁそろそろ帰ろっかなぁ!」

と言いアレスをほったらかしにしてさっさと帰ってしまった。


「アレス、帰るよ」

優しい表情でトリトンがそう言った。


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