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序章1-1「始まりはクライマックスで」

頭の中でちょっと出来てた構想を突然書いてみた。

正直暴発感はあるけど後悔はしてない。

五島歴1231年。


五つの島と八つの国で構成された大陸、『フィーンス大陸』が未曾有の混乱状態に陥った時代。

その原因はフィーンス大陸から南、五つの島に数えられない一つの島から突如やってきたのだ。


島の名前は『暗雲島』。周囲は特殊な海流が展開されており、近づけば強制的に流されて追い払われるという人類未踏の島であった。

また名前の通り、島の上空には常に雷を伴う暗雲が常に漂っており、空を飛んで侵入しようとする種族や魔術師は激しい落雷の前に命を落とした。


その暗雲島から恐ろしい怪物達が海を越えて付近の各国に対して襲撃を始めたのだ。

たちまち国家は暗雲島の怪物に対して対処に追われ、それに続いて混乱に乗じて不穏な動きを始める者すら出てきた。


怪物は人並み、もしくはそれ以上の知能と魔法を兼ね備え、さらには様々な種族も確認された。

後に怪物は『悪魔』と呼ばれ、自分たちの種族すら躊躇いなく殺害する凶暴性かつ残虐性を持ち、上位種らしき指揮官による組織的な侵略行動すら起こすようになる。


そしてついに国家間の緊張は最大に達し、目の前の侵略に連合して対する処か戦争へと発展する事となってしまったのである。


戦争は止まらず各地で反乱も起き、大陸の混乱はもはや当面の間、収束の望めない状況となった。




五国歴1233年。



この2年の間、解決した問題は何一つ無かった。寧ろ、状況は悪化しつつあると言える。


何故なら、暗雲島より各国へ正式な宣戦布告が綴られた矢文が届いたのである。

この頃に今までバラバラに残虐行為を行っていた悪魔の群れは完全に統率されてとうとう軍隊としての体を成していた。

この軍隊は手始めに最も近い本島を始め、エルフら多くの種族が住む本島より西南のグリーンランド島、東南のドワーフ族の本拠地、アース島を襲撃。

これに乗じて本島の国家の一つで、また人間至上主義国家であるアイアンブラッド帝国も全ての国家に対し宣戦布告を宣言。時代はまさに群雄割拠の様相であった。




…そんな中、とある英雄が突如現れる事になろうとは誰も夢にも思わなかっただろう。

本島の弱小国家、ファーレブルグ国。いずれ時代に流され滅ぶであろうその運命を変える英雄が、世界を超えて…。











私は死んだ。フルーツ(笑)



いや、冗談でもなんでもないのだ。

俺はしがないただの3流大学生で準オタクの多田凛音(ただりんね)。歳は20。女みたいな名前だが男である。

まあ実際中性的な顔をしているせいでそう思われがちなのだが。


何故死んだかと言えばバイト帰りに電車のホームに突っ立てたら誰かに押されて路線に落とされた挙句、運悪く電車が来ててそのまま轢かれてしまったからだ。しかもその電車、特急電車で通過予定だったし。

一瞬凄まじい激痛が来てそのまま後の記憶が無い事から恐らくミンチより酷い事になっている事だろう。


ファック!相手の顔も見ないで死ぬなんて怨めないじゃないか!

済みません、父さんや母さん。ここまで親不孝者が極まった私をお許しください…。


…なんて思ってたのだが、そう言えばここは何処だろう?とふと気づいて目を開けてみれば




美しい青空、美しい草原、あまりにも自分にはまぶしすぎる太陽の3連コンボ。



「………うはぁ~………」



此処が天国なのかと錯覚しそうな大自然の風景に思わず溜息が出る。

これは夢なのだろうか?まさかこんな光景が現代日本に残っている筈がないだろう。

かといって天国なんてものがあるのか。俺は無神教者だからとてもだが信じられないが…。


横になっていた自分の体を起こし、辺りを見回す。辺り一面草原、草原、草原…。


「って草原しかないのか!」


一人憤慨するが誰もいないのに返事が返ってくるはずもなく空しく声はかき消えてしまう。


「………はぁ~………あほくさ」


二度目の溜息を吐く。こうも相手がいないとつっこんでも悲しくなるだけだとは思わなかった。


整理しよう。ともかくこれは恐らく夢ではない、筈だ。あまりにリアリティが有りすぎる。

夢を見ているのであればこんなに自由は出来ない。大抵見る夢というのは悪夢か変な夢ばかりだが、自分の意思で動けないという点では共通しているからだ。


しかし、俺は間違いなく死んでいる。

まさか電車に直接轢かれて生きている訳ないだろう。それこそ奇跡でも起こらない限りは無い。

まあ万が一奇跡が起こって生きていたとしても、こんな所にいる訳が無い。病院行きは確定だ。


「…つまる所、何も分からんか。どうしたものだか」


取り敢えず動いてみる。うむ、服装はあの日轢かれた時のままだ。

何か持っていないか?と服を探ってみるが何も無し。

背負っていたバッグも近くに無い。

つまり自分の所持品はこの服一つ。


「………まずくね?」


ここをどっかの山だか何だかと想定しよう。実際のこの地形はとても平坦で起伏が少ないから何かあればすぐに見つけられるだろう。しかし、ここが何処だか全く分からない。少なくとも日本ではないのは確かだ。

つまり遭難状態にある。この状況で所持品は衣服のみ。金も食料も携帯も便利グッズも無いも無い。

加えて、自分はインドア派。サバイバル経験は僅かな経験と知識のみ。


「はっきり言って積んでいるよなぁ…」


加えて日本じゃないとすれば少なくとも外国の可能性が大。運よく人にあっても言葉が通じるかどうかも分からない。心優しい人に出会えれば何とかなるかもしれないがそう上手くもいくはずもない。


「取りあえず、生きている以上は何とか頑張ってみようかねっ…と」


まず軽く準備運動をして何かないか探す事にした。当てもないがまた死ぬのは御免だし、何とかする他ない。


一歩、一歩と自分の無謀な旅は始まった。








「GRAAAAA!!!!」


「ぎゃぁぁぁーーーー!!!早速これだよ!!!」


そこら辺をほっつき歩いていたら森を見つけて取りあえずそこに入ってみたところ、しばらくしたら熊みたいな化け物と遭遇して現在進行形で逃亡中である。


「くっそ、今年は大吉引き当てたってのに!厄年にはまだ早くないか!?」

「GRAAAAA!!!!」

「くっそ速い!常識から考えて熊?に追っかけられた時点で速さ的に終わりだけどさぁ!!」


とはいえ、熊らしき動物は本物の熊よか遅いらしく、何とか今のところは距離を離してはいる。

しかし、平均以下の自分のスタミナと走りではいずれ追いつかれるのは明白だ。


「あああああ!何とかする方法は無いのか!?鼻!そうだ弱点の鼻を攻撃…ってそんなことやってる場合か!」


そもそもどうやって鼻を攻撃するというのか。そもそも熊に似た怪物が鼻が弱点であるとは限らないのではないか。そういった疑問も後になってあったが考えている暇は無かった。


「はぁっはぁっ…!ぐぁっ!?」


不運は重なるもので、右足を不意に挫き、躓いてしまった。

体が意思に逆らって転がり、そのまま倒れこんでしまう。


「ははは…ほんと、ついてない。ついてねぇ。」

「GRAAAA………」


もはや笑うしかない。今までの人生が己を否定してきたようにすら思えた。

熊の化け物はとうとう倒れこむ獲物を目前とし、歓喜したように唸り声をあげる。


「ここまでか…あーあ、いと短し命だったな」


こうなれば大人しく死を待つのみ。正直自分の不幸っぷりに泣きたくなったが泣いたところでどうにもなるまい。ゆっくり目を閉じて運命を受け入れた。




「【アイスⅡ】!!」



その瞬間、透き通った声が空間に響き渡り、ふと冷たい感覚を体で感じた。


「なんだ…?!」


目を開けてみると熊の化け物はその巨大な体にいくつもの鋭利な氷の塊をぶつけられ、酷い裂傷を負っていた。


「GRAAAA!?」


熊の化け物は苦しそうな声をあげ、体を仰向けに倒れてしまう。

何が起こったというのか…この光景を見て呆気に取られた自分を尻目に何者かが自分の隣に立って静かに言った。


「貴方は下がって。…デモンベアを片付けてから後で治療してあげる」

「あ…ああ…」


それは一言で言えば美しい魔法少女であった。まるで漫画かアニメに出てくるようないでたち。ローブととんがり帽子に鮮やかな青色の髪。白い宝石が中心に収められた杖。眼鏡をかけた冷たいながらも気品を感じさせる顔。


こんな人間が身近で会えるというのか、と身の危険も忘れて見とれてしまう。


しかし、熊の化け物は深い傷を負いながらも再び立ち上がり、不意に少女に襲い掛かる―――!


「【フリザードシールド】!!」

「GRAAっ!?」


しかし、その攻撃は突如少女の前だけに吹き荒れる雪と風によって弾かれ、熊の化け物は吹き飛ばされ、木に叩き付けられる。

息を吐かせる暇も無く少女はさらなる謎の攻撃を放つ―――!


「【アイスランス】!!」

「GRAAAAAA!!!!」


唱えた瞬間、氷で出来た槍が宙に出現し、熊の化け物目掛けて飛んだ。

氷の槍は熊の化け物の胴体を貫き、血飛沫を上げる。


「G…R…R…A…」


流石の熊の化け物も胴体を突かれてただでは済まず、明らかに息絶え絶えの状態となり、そのまま動かなくなった。

少女は熊の化け物が動かなくなった事を確認し、こちらへ来る。



「………し、死んだ…のか…?」

「間違いなく。」

「そ、そうか………不幸中の幸いだった………はぁ…」


本日3度目の溜息を吐いてようやく安心した俺は近くにあった木にもたれかかる。

少女は俺に近づくとしゃがみ込み、話しかけてくる。


「貴方、危ない所だった」

「言われずともわかっているよ。何が何だか分からないが助かったよ。」

「違う、貴方が考えているだろう意味じゃない。」

「うん?」


違う?どういう意味なのか聞こうとすると


「ここ、新緑の森はファーレブルグ国より危険地域として指定された変異凶暴生物、魔物の出現領域。ここはその為原則立ち入りが禁じられている。」

「魔物?」

「そう。ここにいれば人間である貴方はたちまち魔物に襲われる事必定。どうやってここに迷い込んでしまったかは聞かないが、もうここには立ち入らないのが貴方の為。」


………とまあ聞く前に親切にこう答えてくれたのだが、取り敢えず一言。



「………なんじゃ、その、魔物とかファーレブルグ国とか」













表現は上手くなったような気がするけど文字数が昔程稼げなくて愕然とした。昔は2時間で1話5千字は行けたような気がする。歳かな。

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