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閑話1

別に読まなくてもだいじょうぶへーきへーき

 ――オルジナ公、グラーツ・オルジナ・カルナストウの執務室


「それで、あの男はどうだった?」


 グラーツが傍に控える女騎士シャルティエ・カーンズに問う。


「魔法を使用した戦闘は未知数ですが、単純な力量で言えば私を大幅に上回っております。」


 シャルティエが淡々とした口調で報告する。


「では、仮に魔導鎧無しでお互い全力で戦った場合はどうか」

「腕一本といったところでしょうか」

「腕一本を捨てれば奴を殺せるのか?」


 シャルティエの表情が曇る。


「腕一本とったところで私が死にます」

「……そうか」


 流暢な会話が可能な程、こちらの世界に干渉できる精霊と契約しているのだ。

 魔導鎧戦の実力は察しがつくが、通常の戦闘もそこまでの実力があるか。


「俺の判断は誤りか?」


シャルティエではなく、脇に立つ執事に語りかける。


「いえ、そのお考えは間違ってはおりません」


執事――カウフは丁寧に答える。


「では詳細を聞かせてもらおう」


「はい。賊の総数は不明ですが。まずは、警邏の従騎士が殺害され、広範囲に魔法が打ち込まれました」


「奇襲の上に撹乱という訳か」


「はい、こちらの主だった実力者は邸宅の外で迎撃に移り、残った数名と側使えのトリス、そして私でリネアお嬢様のお部屋の守備に」


「続けろ」


「すぐに旦那様に向けて救援をお出ししましたが、扉も破られ、私とトリスも負傷したところで恥ずかしながら意識を失ってしまい……」


 申し訳なさそうな表情で頭を下げるカウフ。


「白刃のカウフマンも年をとったか」

「面目次第もございません」


「そうなると、あの男は……」

使い魔の召喚サモン・ファミリアで呼び出したと言うが」

「分かりません。ですが、少なくとも現時点では脅威とは思えません」

「何故そう思う」

「お嬢様が気に入っておられます」


「リネアちゃんは関係ないだろ!リネアちゃんは!」


 確かに、一見スラリとした優男に見えるが、その衣服の下にはしなやかな筋肉が隠されていた。意外と負けん気も強いし冷静さも備えている……身元は定かではないが、騎士であるというし我が騎士団で昇進していけばそれも解決してしまう。

――これでは優良物件ではないか!


「ぬあああああああああ!!認めんぞ!認めんぞォ!」


「閣下、落ち着いて下さい」

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