冬
冬とはなんなのか。雪が降るから冬なのか。冬と定義されている月日だから冬なのか。私は、
「ははは、惨めだなぁw俺たちにこんなにされたのにそうやって蹲ることしか出来ねぇの?www」
パシャ
「せっかくだからあんたのクソダサい姿記録したくねぇ〜www」
「あやっべ、もうこんな時間だ。ごめん俺帰るわ」
「じゃあ俺も帰ろ〜。そろそろ飽きてきたしw」
「お前、助けられたなw感謝しろよwww」
彼らは去っていった。いつまでこんなことが続くのだろう。どうしてこうなったんだろう。大量の吐瀉物や水の中でまた涙を流す。
「...帰らなきゃ」
涙を枯らすまで時間がかかりすぎた。汚れたハンカチを冷たい水で洗う。目を手で拭いながら帰路につく。
「...」
ドアの前で何度も考える。深呼吸。
「ただいまー」
前と同じように言う。
「おかえりー」
いらない。両親が居なかったらどれだけ良かったのだろう。足早に部屋に籠る。カレンダーを見た。もう12月だ。
「まだかな」
私は雪を心待ちにしている。冬が好きなんだ。虫がいなくて、雪が降って、サンタが来て、痛みが少し増すけど、すぐ暗くなるからすぐに終わる。そんな冬が好きだ。
「...」
朝が来てしまった。憂鬱だ。行きたくない。リビングの机には朝食が置いてあった。それを自分の部屋に隠して急いで学校に向かった。
「ハァ、ハァ、ハァ、」
危なかった。でももう少し遅くてもよかったんじゃないか。汚れた席に座る。そしてHRが終わり、授業が終わり、学校が終わり、辛い時間が終わり、暗がりのベンチに腰掛ける。
「...」
呆然と空を見上げていると、ちらほらと雪が降ってきた。だんだんと空が白に染まる。一粒の雪を皮切りに無数の雪が落ちてくる。
「冷たっ、冷たい、冷たいよ」
トイレの中に逃げ込む。
「そっか、雪って、冬って冷たいんだ。」
それから呆然とその景色を眺め続けた。
「お前何笑ってんだよ。キモいんだよ」
「いいねwもっとやっちゃいなよww」
「ふふ、ふふふふふ」
「何お前、余裕ですアピールでもしてんの?さっさと死ねよ!」
「ふふ、ふふふふふふふふふふふふ。嬉しいなぁ、嬉しいよぉ。」
「...きも、もうこんなやつほっといて帰ろうよ」
「そ、そうだな」
彼らは去っていった。雪は降っていない。でも私のそばに冬はあったんだ。




