結人を探しに②
「俺、やるよ。兄ちゃんを助ける。そのためにあいつらと戦う。俺に何ができるのか全然わからないけど…。それでも、一緒に行かせてほしい。お前…名前は?」
「ハク。」
「そう、ハクか…。よろしく…。…ねえ、ハク。記憶って、なくした後に戻すこともできるの?」
「兄さんが戻ってきた後の行方不明期間のことを心配するのは少し早いんじゃない?記憶は戻せるし、間の記憶を補填することもできるよ。だから一時的に記憶を消しても、兄さんが帰ってきて周りの人とうまくやれない、なんてことはないから安心して。」
「すごい、ハク。よくわかったね。そうしたら、俺以外のみんな、紬も含めて全員の記憶から兄ちゃんの記憶をなくしてくれないかな。」
「わかった…楽人、君はあくまで一人で奴らと戦うつもりなんだね。」
「うん、兄ちゃんのことは僕が何とかする…今度は…俺が助けたいんだ。」
「ふふ…わかった。…じゃあ早速、今から力を使うよ。僕の姿は…基本的には人間からは見えないから今後はそのようにふるまってね。」
「わかった。」
俺がうなずくと、ハクの首元の鈴がちりん、と大きな音を立てて、光輝いた。
光がどこまでも大きく広がっていく…。俺は思わず目をつぶった。
「ん…」
光がおさまると、気絶していた紬が目を開いた。
「あれ…私…ここ…校庭…なんでこんなところに?」
「……それはこっちのセリフだよ!全く、校庭でいきなり寝るなんて信じらんないよ…ほら、帰ろう!」
「え……え、何があったの!?」
「教えねーよ~!」
紬の前を歩く楽人の目に涙が光っていたことは、ハクしか知らない。




