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車内2

自分を含め3人以外の視線が男に集中している。男が動くと視線も合わせてついてくる。男が階段を登っている時に感じていた気持ち悪さはこれだった。

 恐ろしくなった男は、たった今停車した電車に飛び乗った。ホームの人間たちは動くわけでもなくじっと男の方を見つめていた。着いたばかりだからかドアは閉まらない、その間も周囲の視線は男に常に向けられている。

 突如男は背中を指でつつかれた。男が振り向くより先に強く大きな、女の子の声が聞こえた。

「目をそらすな!」

男は驚きつつも周囲の視線から目をそらさなかった。

「前を向いたまま聞いて。」

声の正体はユカだった。

「絶対に目をそらしてはダメ、電車のドアが閉まるまで絶対に目を離さないで。」

ユカがそういった時、車内で発車を伝えるアナウンスが流れた。軋む音を立てながらゆっくりとドアが閉まる。ドアの隙間があと拳1つ分になったとき男の気が緩んだ。安堵し、目を閉じてしまった。

《ドンッ!》と大きな音が鳴った。立て続けに全方向から音が鳴る。男が目を開けると天井)床にびっしりと笑顔の仮面の形が浮かび上がり、車窓には電車に張り付いた無数の人間の姿があった。

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