表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/38

第28話 地下40階のケルベロス

キュービのダンジョンにきてから1ヶ月程経っただろうか。俺のレベルはようやく80に到達した。攻略階数は地下43階だ。


マリーのレベルも90まで上がった。レベルだけ見れば大成功と言えるだろう。だが残り1ヶ月で地下60階はとてもいけそうにない。


足りないのはレベルではなくメンバーだ。さすがにマリーと二人はキツい。フェニクがメンバーとして機能するならマシなのだが、そううまくはいかない。攻撃はしてくれるが常時ではない。ゲームのお助けキャラみたいな動きだった。


もちろんマリーとの二人がダメと言っている訳ではない。朝から晩まで二人で一緒にいれるのはうれしい。男メンバーが増えてマリーを取られたらと思うとメンバーを増やすなんて持っての他である。


では女性メンバーなら?俺はうれしいがマリーが俺と同じように思うだろう。それによってマリーとの仲が悪くなったら最悪だ。


こればっかりは諦めるしかないだろう。その中でどうやってファンドラ王に可能性を示すか?今はそれを考えなければ。


今日も地下43階でレベリングをして、泊まる為に地下40階まで上がった。地下40階のボスはケルベロスだ。頭が3つある犬の魔物だ。頭が3つあっても体は1つ。意外に苦戦する事はなかった。


ボスを倒した後のボス部屋は安全地帯となり安全に休む事ができる。他の冒険者がいる場合、俺達が出ないとドアが開かない為、マナーとしてボス部屋で寝泊まりしないのが普通だが、地下31階以降、他の冒険者は全く見なくなったので、俺達の安全の為にも使わせてもらってる形だ。


そして今の俺達のステータスがこちらだ。


名前:レイ

職業:聖獣マスター

称号:一般冒険者


レベル80

HP:800(1280)

MP:800(1280)

力:800(1280)

魔力:800(1280)

体力: 250(400)

敏捷:400(640)

器用:800(1280)

運:400(640)


名前:マリー

職業:聖女

称号: 一般冒険者


レベル90

HP:700

MP:1200

力:450

魔力:1200

体力:350

敏捷:450

器用:1000

運:250


もしかしたら王にはステータスを見せるだけで、可能性を示せるかもしれない。期間は残り1ヶ月。エンキまで辿りつかない事を考えるとどうするべきか・・・


「この調子なら地下50階まではいけると思うけど、地下60階は難しいわね。」


「やっぱりマリーもそう思う?」


「そうね。正直難しいと思うわ。」


だよな~。魔物が強くなる→1体当たりの戦闘時間が長くなる→1日で倒す魔物の総数が減る→なかなかレベルが上がらない。の循環になってるもんな。かと言って今更地下31階から地下35階でレベリングしてもそれはそれで、経験値が少ないからレベルが上がらないんだよな~。


魔物が強いから戦う相手も吟味しないといけないし、そうすると倒す数も少なくなる。順調に強くはなっているけどペースダウンは否めないよな。


「だよな~。どうする?一度戻ってミュラが集めた情報を確認してみるか?ミュラが聖獣か神獣様の情報を見つけてくれてれば残り1カ月で聖獣との契約か神獣様の加護を得る事ができるかもしれない。」


「だけど見つけてなかったらどうするの?その分の日数を無駄にする事になるわよ。」


「そうなんだよな~。だったらいっそボルテックスを襲ってキュビ達を取り返すか?一人の所を狙って。俺とマリーの2人がかりならなんとかなるんじゃないか?」


「それは危険よ。最悪勇者を襲った犯罪者として捕まっちゃうわ。」


「それはまずいな・・・なあ、ミストはなんか良い案ないか?」


「そんな事か。もちろんあるぞ。魔物なんか気にするからダメなのじゃ。魔物なんか無視して下へ下へ降りて行けばよいじゃろ。そうすれば1週間もかからず地下60階に辿りつくではないか。」


「はっ?」


「えっ?どうしたのレイ?」


「ミスト。今なんて?」


「じゃから1週間もあれば地下60階なんて余裕でつくじゃろって。」


「その前だ。」


「魔物なんか無視して・・・」


「それだ!!!どうしてそんな簡単な事に気付かなかったんだ。ミストお前は天才だ。マリー!どうにかなるぞ。エンキの所までいけそうだ。なんでこんな事に気付かなかったんだ。」


そうだ。逃げればいいんだ。元々ミストのお陰で魔物に会わないルートを見つける事ができるんだ。それに見つかってもダッシュで逃げればいいんだ。ゲームしてる時だって時間のない時とかめんどくさい時はフル逃げでボス戦まで行くもんな。


「どういう事?」


「ああ。全ての魔物を倒して進もうとするから時間がかかるんだ。始めっから魔物を気にしなかったらどうだ?ミストの能力を頼りに先に先に進んだら地下60階までいけると思わないか?たしかに地下50階と地下60階のボスはさすがに逃げれないけど、それ以外の魔物を避けれる。後は、俺達が運悪くであった魔物をしっかりと仕留めれるかだけど、俺とマリーのレベルならなんとかなると思う。1カ月も期間があれば十分だ。よし!これで全てがうまくいく。今日は前祝いだ。パーッと行こうぜ!」


地下60階のエンキとの道が見えた事で、沈んでいた空気が明るくなったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ