森を探索しよう
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
無事に水路を作り上げ、ついでに。と家の方にも水道を引いておいた。
排水も上水と同様に地下にまとめて流れるように作り、水路を通る中で汚染物質に反応して分解するように水路自体に魔力を纏わせる。
排水路の流れる先は畦になる。
浄化の過程で有用な畑の栄養になりそうな物質は残すのでこれで人1人分だけではあるが循環農業が出来るだろう。
ため池を経由して使いきれない分は湖に戻るように設計した。
上水道は地下の水路から家の水場に繋げて魔力を起動キーとして水、お湯が使えるようにしてある。
生活の基盤はこんなところかと考えながら作業を続ける中、大切な物を忘れていたことを思い出した。
お風呂である。
家にシャワーは設置したが浴槽は無い。
せっかく喜んでくれている素材に申し訳が無いので作り変えるという思考は却下した。
結果として家のすぐ横に増設することにした。
木の精霊に森を案内してもらいつつ…
〖何で果樹でも無い木に拘るんだ?畑もまだ空いてるってのに…〗
と言われた愚痴を華麗にスルーしながら目的のヒノキを確保して仕上げた総ヒノキの屋根付き露天風呂の完成である。
日も暮れて来たので今日は完成したてのお風呂に浸かって休もうと思う。
心地よいヒノキの香りに誘われるまま体を清めてから湯に体を沈めると…
「っ~はぁ~~ぁ」
なんとも言えない声がもれた。
何年振りのこの感触なんだろう…99億…
考えるのをやめた。
そして…
〖へぇーこれがお風呂なのね〗
〖おぉールーク。気持ち良さそうにしてるじゃねぇか〗
〖なんか羨ましい〗
〖ほっほっほ良い風情じゃの〗
ギャラリーが沢山入って来た。
「見てないで皆も一緒にどうかな?疲れも抜けるよ」
〖あら。ご一緒しても良いのかしら?〗
「見ての通り、広く作ってあるからね。構わないよ。ただ、女性の姿は変えてね。出来るよね?」
〖良く分かるわね…普通の人は驚くのに〗
〖まぁ人間で俺らを認識出来るやつも限られるんだがな〗
〖わたしも?〗
「風の精霊ちゃんはそのままで大丈夫だよ。羽は濡れても平気なの?」
〖羽は濡れないから大丈夫だよー〗
〖では、お言葉に甘えるとするかの〗
「あ、先に体を洗ってね。このお風呂には自浄作用を組み込んで何時でも適温のお湯が張られるようになってるけど、本来は1度使ったお湯を抜いてこの湯船も洗浄して使う物なんだ。なので様式美ということでよろしく」
その言葉に従って精霊達は体を清めた後、湯船にやってきた。
〖っ~~これは!〗
〖はぁ~気持ち~〗
〖最高だな!!〗
〖ほぉ~これはなかなか…良いものじゃのぅ〗
「このお湯に良い香りのする果実や香草などを浮かべてさらに香りを楽しむのも良いんだよ。リラックスして更に疲れが抜けるようになる」
〖それも良さそうじゃのぉ…じゃがしかし!これには酒が酷く合いそうな予感がするわい〗
「金の精霊さんは好きなのかい?」
〖好きなんてもんじゃ無いわよ。その影響で眷属どころか縁のあるドワーフやら冒険者やらの人間にも酒好きが多くなっちゃうんだから〗
〖ほっほっほ。そう言う土の方だって酒は好きじゃろうが。ドワーフ達への影響は儂だけのものじゃないわい〗
「なるほど。じゃあ、作物の出来が良ければ酒も作って行こうか」
〖本当か!!?〗
〖本当!?〗
凄まじい食い付き加減に若干引いてしまう…
「ああ。楽しんでもらえるなら造り手としても嬉しいからね」
〖おいルーク。お前…あの畑で作る作物で酒を作るって本気か?〗
〖なんじゃ木の。余計な事を言うでない〗
「? 何か問題が?」
〖問題っつうか…多分、大変なことになるぞ?先ずは何か育ててみて自分の口で味わってみるんだな。そうすれば俺の言いたかったことは伝わんだろ〗
「分かった。明日早速森に行って植物に種を分けて貰いに行ってみようと思う」
〖森にはもう行っただろうが!畑の作物になりそうな物を全て無視してこの木を探しに!!ったく。こいつらも本当に嬉しそうにしてやがって…分かったよ。明日は俺の活躍の場だな〗
ニヒルな笑みを浮かべる木の精霊から再度のクレームが届いたようだが1日の終わりに浸かる風呂に勝るものなど存在しないのである。
その後、ほかほかになった体で家へと戻り、休もうかと思った時に気が付く…布団が無い…
まぁ、今それを言ってもしょうが無いのでベッドに横になりながら眠りにつくのであった。おやすみなさい。
ーその夜、夢を見たー
1日の終わりに眠る。という習慣からかけ離れていてもいざ戻ろうとすると案外すんなり眠れるんだな。
で、何故これが夢かというと…
前の地球での記憶にあるシチュエーションに俺が立っているからだ…
「城、悪いんだけどこの仕事手が回りそうに無いわ…少しでも構わないから任せて良いか?」
「あぁ構わない。多分こっちは何とかなりそうだ。明の分もどこまでフォロー出来るか分からないけど、やれるだけやってみるよ」
「助かる。持つべきものは有能な親友だな」
「煽てても何も出ないぞ」
「本心に決まってんだろ」
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「なぁ、明。お前、城のこと都合良く使いすぎなんじゃねぇの?」
「何ですか先輩? 俺は無理強いなんてしてませんよ。あいつに相談したら快く引き受けてくれてるだけですって。子供じゃ無いんだから無理な物は無理って言えるでしょ?そういう先輩だって…」
「まぁ、俺らがこうして花金に合コン楽しんでられんのも今もあいつが会社で仕事してるからだよな」
「間違いないっすね。多分、土日も持ち帰りで月曜日のプレゼンまでには仕上げてくれますよ」
「で、お前がプレゼンして良いとこ全部持ってくんだろ?企画はお前主導だもんな」
「まぁ、そこはプロジェクト立ち上げたもん勝ちって事で」
「よく言うよ概要しか押さえられてないくせに」
「そこも城が分かりやすくまとめてくれてますよ。きっと。」
「きっとかよ。お前本当に良い性格してるわ」
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えーっと…確かこの後入院したんだよな。
明は無事にプレゼンを成功させたのかって気になってしょうがなかったのを覚えてる…大丈夫だったのかな……
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