ライセンスの取得報告
「よっサクラ」
「冒険者ライセンス取ったよ!!」
「あ、レイ君たち!と…あれ?レイチェルちゃん?」
「やっほ~サクラちゃん」
冒険者としての資格を無事取得した後、それを報告するためにサクラのところへ向かいメルと名前を呼ぶと、サクラは俺たちを見てパッと笑顔になるが、共に挨拶に来たレイチェルを見て首を傾げた。
「試験官としてこの子たちを見てたんだけどね~、君が誘った子たちだって聞いて一緒に挨拶に来たんだ~」
「あっなるほど…!レイチェルちゃんが試験官だったんだ」
「そうだよ~。でも流石、サクラちゃんが誘っただけあってとても優秀だったよ~。この子たちだったらすぐにC級まで行けそうだね~」
「でしょ~!」
レイチェルの言葉にサクラは賛同すると、傍から見てもうれしそうな笑顔で機嫌良く揺れている。メルとハチもどことなく照れているように見える。
「にしてもお前、ずっとここにいたのか?」
「そうよ?…あっ、別に暇してたわけじゃないからね?フレンドとチャットしてたんだ」
「へえ~、どんなことを話してたの~?」
レイチェルがサクラに問いかけた。
「レイ君たちのことを話してたの。新しいフレンドが増えたぞーって」
「へえ、そうだったのか」
「そのフレンドさんはどんな人なんですか?」
サクラの話した理由に俺は納得し、メルは質問を問いかける。サクラはメルの質問に答えるため、話し始めた。
「グループチャットで会話してたんだけどその中には私と、あと三人がいてね。一人目は女の子で私と同じ魔法使いなんだけど、その子は支援よりのスタイルでとても気遣い上手なんだ。そして二人目は、ちょっと目つきが鋭い男の子で双剣で戦う機動力重視のアタッカーで、ノリがよくて面白い人だよ。最後の三人目はベテランの風格って感じのおじさんアバターで、大盾と片手剣を使って戦うバランサー。この人は陽気なおじさんって感じかな」
「なんか、楽しそうな面子だな。特に後ろ二人」
「ベテランの風格って言ったら、ロールプレイって…奴だろ?」
サクラのフレンドの紹介に、俺は率直な感想をこぼす。それに対して、ハチはなけなしの知識であろう単語に疑問符を付けた。
「ねえサクラちゃん、その子たちの名前は言わなくていいの~?」
そしてレイチェルはサクラに疑問をぶつけた。
「それは会ってからのお楽しみにしておこうかなって」
「なるほど~」
そうい言うとレイチェルは、サクラの言葉に納得するように頷いた。
「うん?その口調じゃ、レイチェルさんは知ってるのか」
「まあね~」
俺の問いかけに、レイチェルは肯定した。
まあ、当然と言えば当然か
「サクラちゃんたちは、この後どうするの~?」
レイチェルがサクラに問いかけた。
「冒険者ライセンスをせっかくとったんだから、討伐依頼ついでにレイ君たちの戦力を確認しようかな。あとスキルと魔法の説明もしないと」
「そっか~、じゃあこれ以上引き止めちゃいけないね~。私もそろそろ仕事に戻るよ~」
「うん、レイチェルちゃんまたね」
「お世話になりました!」
サクラはレイチェルに別れの挨拶を告げて、メルは感謝の気持ちを述べる。
そして俺たちは、こちらへ向けて手を振るレイチェルに手を振り返しながら冒険者組合を後にした。