温泉の街ケルク
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目が覚めたら俺はベットの上にいた。
「大丈夫ですか、風雅様」
ルキナは心配そうな面持ちでこちらを覗くように見ていた。後から聞いたことだが、俺はアトンに少量の毒を盛られたらしい。しかもアイツはその罪を兄貴に押し付けた。兄貴は勿論死罪になるらしい。
「大丈夫だ。しかしアトン兄様はとても危険だ。しばらく他のところに入れるように計らってもらおう。」
風雅はとても丹精な顔立ちをしている。よって社交界から引っ張りだこだ。しかも黒髪黒目であるから、時期当主はアトンではなく俺と言う声も多くない。
今回はだからこその犯行だろう。
「父上を呼んでくれ」
ルキナは大急ぎで部屋を出て行った。
しばらくして父上を連れて帰って来た。
「具合はどうだ?大丈夫なら今日のパーティにも出て欲しいのだが。」
今日はアトンの誕生日パーティーがあったのだ。
「すいません、父上。まだ体調が優れないので、暫く、温泉の街ケルクで療養していても良いですか?」
「そう言うなら、そうしろ。」
「ありがとうございます、父上」
父上はその後部屋を出て行った。俺は考える。ハデスのお爺ちゃんに、貰った力で何ができるのだろう?
次の日の朝俺は少数の信頼できる家臣を選んで早速屋敷を出た。こんな危険なところいられたものじゃない。
3日ほどでケルクに着いた。ここの別荘で療養する予定なのだが屋敷でか!いつも住んでいる屋敷と遜色のない大きさだった。これが王都にもあるって言うものだから驚きだ。
6日ほど休息を取ったのち、俺はケルクの温泉に行った。久しぶりの温泉は身に染みたよ。コーヒー牛乳も美味しかった。屋敷に常備することを即決めた。
その帰り街をぶらぶらルキナと散策していると叫び声が聞こえた。
「きゃぁぁぁぁぁぁあ」
俺は即座にそこへ向かった。
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