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プロローグ
季節は巡る。
止まること無く、ただひたすらに。
あの花は誰のために咲いて、その身を散らすのか。
知りたいことは山ほどある。
だけど、考えるだけ無駄だ。
僕には触れる手段はないのだから。
何度も何度も桃色の花弁が落ちるのを眺めながら、
雨の匂いを感じていた。
あと何回巡り行くのだろう。
あと何回こんな思いをすればいいのだろう。
何のためにここにいるのだろう。
見ているだけはもう飽きたよ。
君に触れたい。
たとえこの世が果てようと。
たとえこの身が朽ちたとしても。