私が本気で好きになった人は、若かりし頃の父親だった!?
私の名前は 『桐谷 あやか』 22歳で現役の大学生です。
私は、ひょんなことから別の世界に飛び込んで行ってしまいました。
それは、私の両親がまだ私と同じ歳ぐらいの時代です。
こういう時、、、一瞬何が起きたんだろうと思った時でした。
何時も大学に通う道で、少し遅刻しそうな時間で起きたのです。
私は自転車で通っていたので、そのままあっちの世界へ。
私の見ていた景色がパッと変わりました。
『えぇ!? ここドコ? どうなっているの??』
男性はオールバックでチェックのスーツだったり、パンタロンみたいな
格好だったり。長髪男性が多かったり、女性のメイクも濃い。
派手で、バブルの時なのかな......?
女芸人の○○ノラさんを見ていたから? 何となくその時代なのかなと
思った。
私が困っていると......?
カッコいいイケメンの男性が私に近づいてきた。
でも? 何だか見たことがあるような? 前から知っているような?
不思議な感覚...? 私は誰だろうとその男性を見て思い出している時...?
彼は私に話しかけてきた。
『どうしたの? あんまりこの辺じゃ見ない子だね? 迷子にでもなった?』
『あぁ、まぁ、そうなんですけど...? でも大丈夫です。』
『まぁまぁ、何か困っているなら? 力になるよ~!』
『いえいえ? 本当に大丈夫ですから~!』
『でも、近くで見たら? キミ可愛いね!』
『えぇ!? 何言ってるんですか?』
『そんな顔しないでよ~ 僕は別に怒らす事言ってないけどな...?』
『あぁ~ そうですよねぇ~ ごめんなさい。でも? 何処かで私と会ってない
ですか? 凄く以前から知っているような......?』
『キミ? 名前なんて言うの?』
『私の名前は......桐谷...。』
『えぇ!? 僕も桐谷だよ~ 一緒だね?』
『下の名前は? なんて言うんですか?』
『和夫だよ。』
『うそ!?』
『本当だけど...? 今、凄くビックリしてない!?』
『そそ.そんな、事ないですよ』
『ふーん? まぁ、いいんだけど? 今、キミ時間ある?お茶しない!?』
『まぁ、えぇ。』
『じゃ~行こうか!』
『......』
まさか!? まさかだったけど...? この人!? 私の 『父親』だった。
しかも? 物凄く軽い男だ!!!
お母さん? お父さんの何処が好きになったのかな...?
今のところ、いいところなしだけどな!
その前に、私がお父さんと会ってしまって? 『運命』とか変わんないのかな?
心配で仕方がないんだけど......?
◆
私と若かりし父親と一緒に、お茶とやらをしに行く途中に変な男2人組に
絡まれた。
『おいおい? 兄ちゃん? 可愛い女の子連れてるな~ こっちにその子
渡してもらえるか~!!』
『いやいや? どうして渡さないといけないんだ~!』
『はぁ!? 兄ちゃんやる気か~ こっちは2人やどぉ~』
『人数は関係ないと思うけどね!』
そこで喧嘩になったが...?
あっという間に決着がついた。
お父さんケンカ強い!
『ごめんね。変な事に巻き込んで! 行こうか!』
『ううん。』
私は、若かりし頃のお父さんにうっとり。
カッコ良かった。
ヤバいな! 本気でお父さんの事好きになりそう。
でも、お母さんはいつ出てくるのだろう?
◇
まさか!? ここでやっとお母さんが出てきた。
なんて美人なのだろう。
『おーい! 桐谷くん、その女の子誰なの?』
『あぁ、彼女だよ。』
『いやいや? 違いますよ。もぉ~ 何言ってるのよ~!』
『冗談だよ~ 先、知り合った女の子だよ。』
『どうも、はじめまして! 桐谷...』
ふと目に付いたモノがある。
アニメのタッチの漫画を持った少年とすれ違った。ミナミちゃん
『桐谷...ミナミです。』
『桐谷さん? 桐谷くんと一緒だね?』
『たまたまです。』
『私は森本 彩だよ。』
お母さんの旧姓って? 『森本だったけ??』
この時に、思い出した。
いつの間にか? 私たちお互いカップルになってない!?
もともとお父さんとお母さんって? 知り合いというか? 友達同士だったんだ!
ふたりの昔の話とか? 聞いてなかったから、はじめて知る事ばかりで、なんだか
とっても不思議で仕方ないな~!
でも、二人とも美男美女だと思う。
『隣の方は? 彼氏ですか?』
『えー? 違うよ~ 従弟の俊也だよ!』
『どど.どうも!』
そう言えば...? 見たことあるかも!?
おじいちゃんが亡くなった時に、チラッと見たような?
親戚のおじさんだったのか? しかもおじさんもイケメンなんだね~!
二人は、何処で恋に落ちるのかな?
◆
そんな時に、私たちの目の前で何処かのマンションから火が出ている。
燃え盛る炎が、みるみるうちにマンションが火だるまになっていく。
小さな子供が取り残されているのをお父さんが見つけて...!
直ぐに助けに行った。
お母さんは、どんな風にお父さんの事を見て思ったんだろう?
想像できたけどね!
炎の中に入って数分後、お父さん(和夫)が出てきた。
小さな子供を抱えて......。
私が見ても、カッコ良かった。
◇
私は、そんな二人の姿を見ていると......?
誰かが私を呼ぶ声が聞こえた。
『あやか~ 時間よ! 早く、戻ってらっしゃい!』
...私は声がする方へ向かって走って行った。
お父さんもお母さんもおじさんも、燃え盛るマンションの方を見つめていた。
だから、私がいなくなった事に気づいていなかった。
◆
私が声のする方へ向かうと......?
パッと! 元の世界へ戻ってきた。
何故か? 私が乗ってきた自転車もそこにあった。
もう夕方になっていた。
私はそのまま家に帰ったら? お父さんとお母さんがいた。
『あら? 今日は早いのねぇ~』
『あやか? 一緒にご飯食べよう~!』
『ううん。』
■
物凄く、家が落ち着く。
二人の姿にほっこりした。
ふたりの子供で良かった。
でも、1つだけあの世界へ行って変わった事がある。
『私どうやら? ファザコンになったみたい! まさか!? お父さん大好き
になると思わなかった。それまでずっと反抗期でお父さんと口も聞かなかった
のに、今では毎日その日あった事を私からお父さんに話す。なんだか? 物凄く
不思議。』
最後までお読みいただきありがとうございます。