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異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
女王陛下の猿飛佐助
78/81

月下鬼狗

 「クソッ!」

 豪奢な白ローブが顔に焦りを浮かべ、指先で宙に紋様を描く。

 『シャドウ・サーバント』。

 この魔法を使い、白ローブが自分の影から黒ずくめのヒトガタを呼び出した。


 腕が刃となっているモノ。

 巨漢とも言える体躯のモノ。

 背中に翼を生やし、空を飛ぶモノ。


 その数、50余り。

 対して、敵は角と犬耳の二人ぽっち。

 豪奢な白ローブが、数的有利による勝利を確信し、また笑みを浮かべる。


 しかし────────。


 「「これっぽっちか?」」

 「何ッ!?」

 この数をものともしないかのように、二人が問い、豪奢な白ローブが面をくらった。


 「い…行けッ!殺せッ!」


 影達が、主の命を受け二人の異形に襲いかかる。


 「オラァッ!」

 ツキオが、正拳突きで正面のヒトガタを消し飛ばし、その余波で後ろにいたヒトガタ数体を吹き飛ばした。

 「セェイヤッ!」

 つづけて、右の上段回し蹴りをヒトガタの横顔に叩き込み、囲い込むように飛びかかるヒトガタを巻き込んでいく。


 「シッ!」

 マックスは、ヒトガタの間を神速の脚捌きですり抜け、敵を切り刻んでいく。

 「フッ!」

 上空に躍り出たマックスは、鉄針を数十本単位で投げつける。

 鉄針は、ヒトガタや普通の白ローブ達に突き刺さっていく。

 

 「ハァアッッ!!」

 そして、地上へめがけて電撃を雨あられと降らせた。

 電撃は刺さった鉄針に電導していき、犠牲者は黒こげに焼き燃やされ、灰となっていく。


 「ひっ…ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!」

 豪奢な白ローブが恐怖の余り、逃げ出していく。


 「どこへ行くんだぁ…?」

 が、マックスが目の前に立ちふさがり冷たい目を向ける。

 ファイナル白ローブが周囲を見ると、ツキオが最後のヒトガタの頭を握り潰すのが目に入った。


 「お…オレを殺せば、あのガキの居場所は分から───────」

 言葉の途中でファイナル白ローブの眉間に鉄針が突き刺さる。

 しかし、不思議な事に痛みは一つとして無く─────。


 「あ…がぺ…」

 「諜報部オレを舐めるな」

 そういって、マックスはファイナル白ローブの左目に鉄針を突き刺す。


 そして、右腕、左足、腹、肩口、と全身に鉄針を突き刺していく。

 

 「屍を晒せ」

 マックスが指を一本上に立て、天に向かって紫電を走らせる。

 雷は、雲の中に消え、その雲は、轟音と明滅を繰り返す。


 「か…ひへ──────────」

 白ローブの視界が、光に包まれ、後には炭クズが残った。


 @@@


 「全く、しょうがない人ですね…」

 呟くミスミの脇には、マックスの探していた少年が抱えられていた。

TSホモ、有能。

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