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雷鳴公に何があったのか
最初に感じたのは驚愕、そして、それは絶望に変わった。
あの時、彼──名はツキオ、といったか…─────に倒され、俺は死んだはずだった。
しかし、何の因果かこの異世界によびだされ、俺は生き返った…但し、女になってだが………。
守るモノも何もかもを無くし、フラフラとそこらをさまよい歩いていたその時だった。
あの子どもと出会ったのだ。
たとえ一人でも生き抜くという決意を秘めた瞳、その瞳に、かつての自分を重ねたのだろう。
現在はその子どもを拾い、共生しているという訳だが……。
「もうね、かわいいんらよぉ~!」
「え、ええ…はい…」
話を聞きつつ、ベロンベロンに酔っ払ったマックスの相手をするミスミ。
この後に続くのはその少年の事ばかり、さっきまでのしんみりした雰囲気はどこへやら。
途端に饒舌になり、母親の顔になって話すマックス。
(この人、もしかして親バカでしょうか…?)
そんなことを考えてしまうミスミであった。
雷鳴公と書いて、オカンと読む




