表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
女王陛下の猿飛佐助
67/81

ダイナマイト領主-1

 「領主様!ウチの農場に突然、盗賊がやってきたんでさあ…何とかしてくだせえ…」

 身なりの整った男がカッぺ言語で土下座をする。

 目の前には、『領主様』と呼ばれた妙齢の女性が立っている。


 腰まであるプラチナブロンドの髪に、サファイアブルーの誇り高き意志を秘めた瞳。

 透き通る白い肌を貴族の服で包み込んでおり。そして、そのバストは豊満であった。


 「ふむ、ならばそちらへ行くとしよう、ロータス、留守を任せる」


 「はい」

 「ありがとうごせえます…」


 ---


 「は…早く、さっさと有り金と食料…をぜ、全部よこしやがれェ!」

 農民に見える身なりの男が、必死の形相でわめき散らす、まるで何かにおびえているように。

 「君か、農場で騒いでいる者というのは」

 「だ…だとしたら何だッ!…早くしないとみんなが…」


 「何やら訳ありと見るが、私に出来ることはあるか?」

  「う…嘘をつくなッ!お前たち貴族はそうやって俺たちをだましてきたくせに!」


 「このライズ・マーキュリー!人を陥れることは決してせんッ!」

 「…ッ!」

 女性────ライズは、男を力強く、しかし、優しい瞳で見つめる。


 この男自身もライズ卿の噂は耳にしていた。


 曰わく、難病の者を薬も使わず治し、金も取らずに去る。

 曰わく、左腕一つで荒れ野を花畑に変える。

 曰わく、借金まみれの者に仕事を与え、完済まで根気よく付き合う。


 などなど、悪評と言えば、少々酒癖が悪いくらいのものであとはほとんどが好評価である。


 この人なら、あるいは──────。


 「…家族が…家族が人質にとられているのです!返して欲しければ莫大な食料と金をよこせと言われて…」

 「犯人は?」

 「『暴食公』の親類、ブッデルです…」

 「………」

 

 ブッデル・ムッサ。

 この貴族を表すのにいる言葉は──────『無能』、もしくは『屑』である。


 道端を歩いていた老婆を、『ムカついたから』という理由で絞首刑に処し。


 自分の『人の苦しむ姿が見たい』という楽しみのため、ばらまいた流行病を無償で治す医者を『病気をばらまいた張本人』として殺し。


 大量の金と食料を領民に貢がせ、出さない、もしくは逆らえば一族郎党を強制的に殺し合わせ。


 自分の支配から逃げ出そうとすれば、即座に処刑。


 などなど、やってきた悪行を挙げれば星の数である。

 民に圧制をい、自分は安全圏から高みの見物をする。

 こういうヤツらが、ライズの一番嫌いなタイプの人間であった。


 今までそれらの悪行は『証拠が無い』で通されてきたが、それも今日限りの話だ。


 「君の名前は?」

 「ファムラ…と言います」

 「では、ファムラ君、ロータス・リーという人物に伝えてくれ…『昼時には戻る』とな」 

 ライズは、そう言ってブッデルの領土の方を向くと、その場から比喩抜きで『掻き消えた』。


 生み出したはずの米国すら恐れた『最も危険な兵士』が、今、動き出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ