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荒くれ番犬傷心物語
「んう……」
朝の日差しがまぶたをこじ開ける。
マックスは半身のみを起こすと、一糸まとわぬ自分の姿。そして、自分と同じ生まれたままの姿の幼い少年が隣ですやすやと寝息をたてていた。
あの酒場での一件の後、自宅に帰った瞬間、この幼い少年をベッドに押し倒し、半ば強引に交じりあったのだ。
ただ、あの一言を忘れたかった。
その一心でこの少年を口で、尻で、胸で、むさぼるように搾り上げた。
そうしないと、今の自分を否定されたように思えて────────────。
少年は行為の最中、ずっと笑顔を向けてきた。
ただ、それが自分を慰めるものだったのか、それとも断罪するためのものだったのか……。
「………」
いや、考えても仕方が無い。
まずは、今日の仕事をとってこなければならない。
マックスは、床に転がる無数の酒瓶を足でどかしキッチンに向かう。
(……彼に笑われるだろうな)
ふと、マックスはある男のことを思い出した。
その男は、護るべきものを護るため自ら矢面に立ち、そして護り抜いた。
死んでいった者達の信念を受け継ぎ、戦い抜いたその姿は、まさに賞賛すべきものであった。
だが、自分と彼は違う。
彼の生き様を真似ることなど出来はしない。
私は、彼にはなれない。




