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闇夜に駆ける
「はッ…はッ……!」
月が照らす真夜中の森を、影が一つ突っ切っていく。
影の身体つきは男、身なりは暗い夜の森でも目立つ白いローブ姿であった。
しばらく走り抜いた後、男が、疲労からか腰を下ろす。
「こ…ここまでくれば───「安心、か?」───…ひッ!」
凛とした女の声が、男の耳に届いた。
男は即座に立ち上がり、辺りを見渡す。
(ど…どこだ…?どこにいる…)
辺りを見渡し、そして男が気づく。
「…上かッ!」
男が上を見上げる、しかし、すでに処刑は完了していた。
男の顔に真っ赤な縦線が通る。
瞬間、男は二つ切りの肉塊に変じた。
「お仕事完了っ…と」
そんな声が聞こえた後、気配は一つとしてなくなり、辺りには、静寂が訪れた。




