黒腕の乙女ー6
「ここは…」
――――はあたりを見渡す。
そうだ、ここは確か…。
「ギルドの医務室さ、目を覚ましたみたいだね――――」
ああ、そうだ、自分は『奴』と全力をぶつけ合い…そして…。
「相打ちになった…いや、最終的には君が立っていたから君の勝ちだけどね」
「そうか、勝ったのか…」
やけに体が軋むように痛い。
「全部の力をぶつけたんだ、そりゃあ動けないだろうね」
「…あいつはどうなった?」
「向こうで寝てる」
「…そうか」
ならよかった、と言おうとしたが急な眠気がオレを襲う。
「いまはゆっくり休みなよ、それじゃ、また起きたときにね…」
@ー@ー@
「ぬふぅ…」
退屈そうに伸びをするテッシン。その視線は医務室の天井をさまよっていたが唐突に医務室のドアが開かれる。
「やあ、黒腕の乙女クン?」
「…俺は男だ」
声の主はヴェルトロであった。ヴェルトロは、今、周囲で騒がれている『二つ名』をテッシンにむかって発する。
それに対して、テッシンは気だるげに訂正を求めた。
数日前からギルド内である『二つ名』が話題となっていた。
『黒腕の乙女』
『鋼の乙女』を倒した少女に、どっかの誰かさんが畏敬の念を込めてついた二つ名である。
(まあ、『人型特殊兵器』とか『人間爆弾』と呼ばれるよりはましか…)
だが、その二つ名に関しては完全に自業自得であると言わざるをえない。
この後、ルゥが来て泣きじゃくられたのだが…そこは割愛させてもらおう。




