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異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
燃え尽きて、生まれ変わって
52/81

黒腕の乙女ー3

 「急げー!間に合わなくなっても知らんぞー!」

 ギデオンが、必死な顔で呪術師コンジャラーたちに檄を飛ばす。

 呪術師たちも鬼気迫る表情で異界化結界を張り続ける。

 無理もない、この結界を張り終えなければこの町が良くて更地、最悪クレーターに変わってしまうのだ。

 それほどまでに、この町に来た客人たちの持つ暴力ちからは大きい。


 「三番結界、張り終えました!」

 「五番結界、完了!」

 「二番結界、完了!」

 「よし、後は一番結界のみだな…そっちはどうなっている?!」

 「内部構築を完了…一番結界、完了です!」


 「ま、間に合ったか…」

 ギデオン含め、その場にいた呪術師たちが皆安心した表情になり、抱き合うものまでいた。

 「明日、どうなるか…」

 ギデオンは、空を物憂げに見つめる。

 その瞳には、ただただ真上に上がった太陽の光が反射するだけだった。


 @@@


 「少佐もこちらに来ていたのですね」

 「まあな…しかし水澄、お前はあの時確かに戦死したはずだ、それに、月雄も終戦後の数年後に病死している」

 「ええ、確かに私は沖縄での戦闘で戦死しました…あの時のことは昨日のように覚えていますよ、ですが少佐に合う一か月前、死んだはずの私が見たのは鬱蒼と茂る森と、水面に映る、女になってしまった自分の顔でした…」

 「……」


 テッシンは思案する、一か月前といえば自分が飛ばされてきたのと同じタイミングだ、だがしかし、ミスミは戦時中から、ツキオは戦後から、テッシンはその数十年後から。

 まったく別々の、違う時代から飛ばされてきたのだ。まだ推測の域は出ないが、この分だと、ほかのものもいるのだろう。

 そして、何らかの要因でこちらの世界へ来てしまったというわけである。

 

 「やはり、考えるには材料が足りない…」

 「ええ、しかし、手掛かりならばありますよ」

 「何だって!?それは本当かい!?」

 テッシンは、そのまま飛び上がらんとばかりに席を立つ。


 「……あ」

 「………」

 周囲の視線が一斉にこちらに向く。今、カフェに彼らはいるのだが昼時であるが故に人気も多い。

 テッシンはそのまま静かに席に座り、それを見てミスミは苦笑した。

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