黒腕の乙女ー2
「それで?俺に何をさせようっていうんです?」
「いや、ただ単に顔を見に来ただけなんだがね…」
鋭い目つきをするテッシンの問いに、ヴェルトロは困惑して頬をかく。
「ご冗談を、あなたもやり合いたいのでしょう?隠しているつもりが、隠しきれていませんよ」
テッシンはより一層目つきを鋭くし、ヴェルトロを問い詰める。
ヴェルトロは終始笑顔を見せていたが、端々にソリューと同じ願望がにじんでいるのをテッシンは見逃さなかった。
「おや、隠しきれていなかったか…これは失敬、できることなら私もソリューと同じ意見だが、今は公務中なものでそういうわけにもいかないんだ」
「俺がオーケーといえば?」
「喜んでお相手をしてもらうよ」
「悪いが、俺も仲間と出会えたんだ、流石にこのまま家に帰ってゆっくりしたいのが本音だ」
口ではそう言っているが、期待に副えたいと思うのもまた事実。
「ままならないのはどちらも同じ、と」
「そういうこと、ですな?ギルド長?……ギルド長?」
「へいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらへいきへっちゃらヴぉすゥ!」
テッシンとヴェルトロがアベルの方を向く、アベルは顔面蒼白で同じ言葉を繰り返した後血を吐いて倒れた。
「「あ…アベルダイーン!」」
テッシンとヴェルトロが同時に叫ぶ。
アベルが倒れ、医者に搬送されて今日の会合はお流れとなったとさ。
その後、明日にソリューと戦うことを取り付けたあたりヴェルトロもちゃっかりしていた。




