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黒腕の乙女-1
アベルに案内され、応接室に通されるテッシン。
応接室にいたのは、人当たりの良さそうな笑みを浮かべる灰色の髪をオールバックにした男と、その隣に座るフルプレート鎧の少女であった。
「やあ、君がテッシン・フドウ君だね?」
「……誰です?」
名乗った覚えのない誰かに、わずかに身構えるテッシン。
「おっと、まだ名乗っていなかったね…初めまして、私がヴェルトロ・レインベルだ」
「あ、これはどうもご丁寧に」
ヴェルトロが笑顔で手を差し出し、それを握るテッシン。
「…相当鍛えていらっしゃるようで」
「あ、やっぱり分かっちゃう?」
ヴェルトロがイタズラを失敗した子供のように笑うが、その隣にいるソリューの心中は穏やかではなかった。
早くやり合いたい、早く戦わせろとその心象をあらわすかのようにソリューは目を輝かせる。
「………」
「…えーと」
その姿を見て、テッシンは困惑するばかりだった。
「こらこら、ソリュー、フドウ君が困っているじゃないか」
「だってェ……わかったよ」
ヴェルトロに諫められ、ソリューは叱られた子犬のように引き下がった。
(胃が痛ェ)
ちなみに、すぐ後ろでアベルが胃を痛めていたとさ。
安定のギルド長




