5/81
冒険者ルゥ・チェインー1
「どうしましょう…」
「えぇー…?」
冒険者ギルド休憩所でルゥとギルド受付嬢のフェイは困惑していた。
二人の視線の先には、木製のイスに長い足を組んで座る黒髪長身の男がパンとオムレツを食べている。
男の名は不動鉄心。そう、病室でその生涯を終えた老人その人だった。
しかし、今の彼の肉体は十代後半ほどの若さに戻っていた。
「……」
彼は今、ムシャムシャと料理を食べている。
老人だった頃はそれほど食事は必要なかった……のだが、今の肉体ではかなり腹が減るらしく、彼の座るテーブルには5皿目になるオムレツが置かれていた。
「「……………」」
ルゥは唖然とし、フェイはルゥの肩にポンと手を置いた。
オムレツ十二皿、パン二十個、しめて2480ルド也。