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異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
燃え尽きて、生まれ変わって
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慣れの問題、まさかの再会ー2

 「ッ!」

 テッシンは、その場から飛びのく。

 瞬間、さっきまでテッシンのいた場所が切り崩された。

 テッシンの着地点より数メートルの場所に、マントの女が着地する。


 (こいつ…いつの間に近づいてきた?!)

 いつもならば、張り巡らせた氣の網で接近するものを容易に感知できるのだが。このマントの女は違う。

 こちらの張った網にもかからず、まるでその場から現れたかのように接近してきたのだ。

 だが、この異様な状況、そして、マントの女にテッシンはどこか既視感デジャヴを覚えていた。


 「さすがですね、不動少佐(・・・・)

 「ッ!」

 テッシンの鉄面皮にわずかな動揺の色が浮かぶ。 

 (少佐だと?こいつ…なぜ陸軍時代の俺の階級を…)

 

 そこまで考えた瞬間、ある仮説が沸き上がる。

 『こいつは、俺の世界の住人なのか?』。そう考えた瞬間、テッシンの顔面を貫手が襲う。

 壁を駆け上がり後ろへと回り込むテッシン、だが、その頭はある思いで埋め尽くされていた。

 (こいつの拳筋、これは…いや、間違えようがない!)

 

 「戦法・五十五番、六連腕むつらかいなッ!」

 瞬間、女の腕が六本に増えたかのような貫手の連打が襲い掛かる。

 「喝ッ!」

 しかし、テッシンの叫びで女がびくりと体を震わせ、その場に静止する。


 「気を付けィッ!」

 テッシンの一声、それに見事なまでの直立不動の姿勢を見せる女。

 「貴様の名と階級を言え!」

 「はッ!姓は水澄みすみ、名は州一郎しゅういちろうと言います!階級は上等兵であります!」


 「……ふっ、人が悪いじゃないか、水澄」

 テッシンは、マントの女に笑いかける。

 「……少佐こそ、知ってましたね?」

 マントを自ら取り払い、顔を見せる水澄。


 「まあな……って、様変わりしすぎじゃないか?」

 「まあ、いろいろありましてね…」

 水澄の変わりようはとんでもないものだった。

 肌は新雪ような白さになり、ざんばらに切られた黒髪は、見る者の視線を釘付けにするピンクブロンドのロングヘアに。

 瞳は輝く銀色となり、鉄心の率いる部隊にいた生前のごつごつとした手指は白磁のようになっていたが、それでも、鍛え上げられた名刀の如き風格を発していた。

 

 まあ、鉄心も様変わりに関しては人のことは言えない。

 黒々とした髪は、まさしく鴉の濡れ羽色ともいうべき髪色に。

 巌を思わせる肉体は豊満な女性のそれに変わっていた。

 

 「しかし、生きていたんだな」

 「と、言っても生き返ったのは一ヵ月前ですけどね」

 「(俺と同じか…)ほかには誰かいなかったか?」

 

 「…一人いますね」

 テッシンの問いに、シュウは少し困惑気味な顔で答える。

 「誰だ?」

 「出撃中毒者」

 「ああ…」

 

 テッシンの部隊で出撃中毒者、ともなれば一人しかいない。


 @@@


 「ぶえっくしょん!チキショイ…ん~?誰か噂してんのかァ?」

 南大陸の片隅で突然くしゃみをする少女。

 彼女かれこそくだんの出撃中毒者、武原月雄ツキオ・タケハラである。

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