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異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
燃え尽きて、生まれ変わって
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技と構えの積み木

 ゴドの街近くの水場。

 ルゥは、丸太の前で普段持つレイピアより幅広の鉄剣を持ち、その後ろでは、テッシンが腕を組んで石の上に座っていた。

 一秒、五秒と時間が過ぎ、あたりには風が木の枝を揺らす音が響き渡るのみ。 


 そして―――――――――――――。


 「ハッ!」

 剣が風を斬り、ルゥが剣を納めた瞬間、丸太が賽の目に切り裂かれた。

 「…見事だ!」

 ニコリ、とテッシンが顔をほころばせる。

 

 ルゥ・チェイン――――――――――――――――応火式戦刀術おうかしきせんとうじゅつ、開眼。


 「あ…ありがとうございます!」

 ルゥは目に涙を浮かべ、ぺこりと頭を下げる。

 今日までの一か月、テッシンのシゴキに耐え、やっとつかみ取ったのだ。

 

 「風を斬るのはもうやりたくないですよ…」

 「仕方がないだろう、必要なことだ」

 テッシンは、手ぬぐいとライトブルーの液体が入った瓶をルゥに投げてよこす。よく見れば、ルゥの顔は汗だらけだった。


 「あ、すみません…って、なんですこれ?」

 ルゥがタオルで汗をぬぐいつつ、テッシンに問う。

 「ポーション作ってた時の副産物だ」

テッシンは、趣味でポーションを作っているうちに薬草の種類や、効能、組み合わせを知るうちにこちら側の世界に飛ばされる前に作っていた薬を作り出せるようになったのだ。


 この薬、実はかなりのトンデモアイテムで、絶対に助からない怪我でもこの薬を振りかけるだけであら不思議、コンマ数秒もしないうちにノータイムで元通り。不治の病もこの薬を飲むだけであらまびっくり全快という頭のおかしい性能である。しかも、この性能で材料費が安いというのがもうなんか色々おかしすぎる。


 飲んでいる当人は知らないのだが…まあ、知らぬが仏であろう。

 

 「さて、まずは技の習得からだ」

 「あれ?構えからではないのですか?」

 この世界では、普通、構えから習得し、そのあとで技を体得するというのが流れである。

 ここでの習得プロセスをブッた切ったテッシンの言葉に、思わずルゥは首をかしげる。


 「それは蓮水式の方法だ。俺の使う応火式は技を体得し、そこから構えを組み上げていく…つまり、応火式の技は積み木のパーツ、構えがそれによって作られたものだ」

 「つまり、構えは自分で作り上げろ、ということですね」

 「そういうことだ…さて、休憩が終わったら技の習得だ、気を抜くなよ?」

 「はい!」

話にも出た蓮水式戦術、ここで出たということは…つまりそういうことです。

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