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異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
燃え尽きて、生まれ変わって
40/81

死亡フラグ、完成

 「デェェイヤッ!」

 テッシンは、腕を引き絞り、正拳突きを放つ。

 それを避ける男、そして、女が何かをつぶやきテッシンの後ろから巨大な水の腕―――――――――――水の第5階位詠唱魔法『タイダルフィスト』――――――――――――――を振るう。


 (勝った!)

 魔法の中には階位が高くなればなるほど避けられることもあるものがある。

 しかし、この場合直撃コースは確定、万が一避けたとしても『フレイムスフィア』との二段構えは避けられはしないだろう。

 だが、その考えが甘すぎた。

 

 しかし。

 テッシンは避けなかった。それどころか、構えを解いて立ち止まったのだ。

 (馬鹿め、ヤケっぱちになったか!)

 

 瞬間、水の腕が”文字通り”消え去った。


 『無形無窮むぎょうむきゅうの構え』

 その構えに形はなく、破ることあたわず。


 そう、テッシンは構えを解いたのではない。”構えを変えただけ”なのだ。

 ラッシュを得意とする構えから、当たったものを任意で無に変える構えに。

 テッシンは、ゆっくりと男の方へと歩み寄る。その姿にローブ男が後ずさる。

 

 「く、くるな…来るなァッ!」

 恐慌状態で火球を放つ男、それに合わせて水の鞭を振るう女。

 しかし、そのことごとくが無駄、無価値、無意味。


 やがて、男の背中に何かが当たる。

 鉄柵だ。

 そして、その向こうには、轟々と音を立てて滝のように流れる水がある。


 「い、嫌だ…!助けてくれ…なあ、頼むよこの通りだ!知ってることなら全部話すよ、だから…」

 「ならば貴様らは何者だ?嘘をつけば…わかっているな?」

 「あ、ああ…教えるよ」


 そう言って、男は話し始める。

 自分たちは、南の大陸から来た者で、実験のためにここに来たと。

 嘘は言っていない、わざと情報を握りつぶしているのだから当然である。

 「な…なあ、頼むよ、許し――――――!」

 

 とすっ、というマヌケな音を立てて、テッシンの指が男の額に突き刺さる。

 しかし、不思議なことに血が出ることはなかった。


 「握りつぶした情報含めて全部話してもらおうか」

 (く…口が勝手に…)

 「わ…我々はファナウス教団…」

 男がすべてを話し出す。

 男が所属するのは≪ファナウス教団≫、『世界の救済』を掲げる教団で、男は、そいつらが行う計画の使いっ走りとして動いていたという。

 

 詳しくは知らないが、この計画が成功すれば『救済』に一歩近づくという。


 「そうか、なら、お前を生かしておく必要も無くなったな」

 テッシンは指を引き抜き、背を向けて立ち去ろうとする。

 「し、死ねぇッ!」

 男が『ファイヤーボール』を放とうとする。

 

 瞬間、男の両腕が爆ぜた。

 

 「あびゃああああああああッ!俺の、俺の腕が、が、ががぎげごぐげぱぴ…」

 「お前はすでに死んでいる」

 テッシンは、男に対して処刑完了を言い渡した。 


 「もっぴー!」

 瞬間、奇妙な断末魔とともに男の頭が両腕同様に爆ぜ、周囲に血と臓物をまき散らして肉体が吹き飛んだ。

イイタカッタダケー

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