謎の二人組
「『ファイヤーボール』!」
「『ウォーターウィップ』!」
白ローブの男が杖をふるって火球を飛ばし、女は右手の人差し指と中指をそろえ、水の鞭とともに振るう。
テッシンは、一直線に飛んでくる火球を避け、水の鞭を蹴って消し飛ばした。
男は驚いた様子だったが、すぐに気を取り直し、火球を連続で飛ばす。
ダミーの火球と本命の火球を織り交ぜた連射、しかし、テッシンはまるで見切っているかのように最小の動きで躱し、男に肉薄する。
男に対して、右の前蹴りを放つテッシン、それを男はかろうじて避ける。
次いで、避けた男の頭を狙った左の回し蹴りと足刀蹴りのコンボ。
「『フロート』」
男は魔言を唱え、テッシンを飛び越え後方へと着地した。
追撃しようとするテッシン、しかし、横合いから5発もの氷の棘が襲い掛かる。
それを片手だけですべてキャッチし、テッシンが投げ返す。
女はそろえた二本の指を振るい、水のカーテンを発生させ氷の棘を砕いた。
「チィッ!」
テッシンは、舌打ちする。
その背後から、強大な熱気とともに人一人呑み込めそうな火球が迫る。『ファイヤーボール』よりランクが一つ上の魔法、『フレイムスフィア』である。
「……クソッ!」
テッシンは、避けるのではなく、それを掻き消した。
「どうした、避けないのか?」
「貴様、この女が俺の後ろにいることを知ってて撃ったな…?この女がお前に操られていることを知っていながら!」
「ああ、そうだが?」
ギリ…、とテッシンは歯ぎしりする。この男は操られている女ごとテッシンを焼き殺そうとしたのだ。
それをさも当然のように言う男、その行動が、自身の死亡フラグにつながるとも知らずに…。
死亡フラグが立ちます、死亡フラグが立ちます、一般フラグは直ちに退避してください。




