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異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
燃え尽きて、生まれ変わって
35/81

偶然って怖いよね byテッシン

 「シャァッ!」

 顔面に刃を突き立てんと、超低空姿勢からギデオンがダガーを振り下ろす。

 「フッ!」

 それをさばき、小手調べに、3、4発の拳を放つ。ギデオンはひらり、ひらりとそれを避け、後方へ下がった。

 

 「チッ!」

 「雌雄駆鑼馬しゆうくらま!」

 それを追いかけ、テッシンが、暴風と見まごうほどの蹴りの嵐を放つ。避けられないと思ったのか、ギデオンは、四肢で頭と胴体をガードする。

 直後、強烈な衝撃がギデオンを襲う。 


 「クソが…」

 体勢を立て直したギデオンは悪態をつき、忌々しそうにテッシンを睨めつける。

 「どうした?ヤる気がないのか?」

 「言ってくれるじゃねェの!」

 ギデオンは、テッシンの煽りに反応して、マントを翻して突撃する。

 

 「嗚駿卷峩通おとしまがつ!」

 テッシンは、爆速の前蹴りを顔面に叩き込もうとする。

 「バーカ」

 しかし、それを避け、テッシンの首を刈らんとダガーをふるう。

 

 「ハッ!」

 テッシンはそれに合わせて、前蹴りの軌道から、踵落としに移行する。

 ダガーと鋼鉄の義肢がぶつかり合い、火花を散らす。

 

 「ダッ!」

 「シェイッ!」

 鍔迫り合いの状態から、両者が距離を置く。


 「……こんなものか?」

 「ア?」

 「こんなものか?と、聞いたんだ、二度言わなきゃあわからんのか?」

 「…ブッコロス!」

 テッシンの落胆した声に、ギデオンは青筋を浮かべ、姿勢を深く落とす。まるで、獣が飛びかかる寸前のように。

 そして、観客たちの視界からギデオンが消える。そして、訓練所内に響き渡る何かの跳ねまわる音。

 

 その正体は、本気の速度を出したギデオンである。

 

 ギデオンには、『新人潰し』(ルーキーキラー)という異名の他に、もう一つの異名があった。

 

 『消失』(ヴァニシング)のギデオン。

 

 その異名には、二つの意味があるのだが、ここでは表の意味を説明しよう。

 超速度によって、その名の通り視界から『消え失せる』というもので、これをとらえられるのは3人のみ『であった』。


 「死ねやゴミカスがァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」

 「遅い」

 テッシンは、後ろから飛びかかるギデオンの顔面を掴み上げる。

 「なっ…!」

 (ねえねえ、今どんな気持ち?本気でやったらそれ以上で叩き潰されてどんな気持ち?)

 驚愕に顔をゆがめるギデオンと、内心でNDKするテッシン。


 「戦法・七十八番、緋弥帰波蝕ひびきはじきッ!」

 捻りを加えたゲンコツが振り下ろされる。

 ドラム缶と、その中に、いっぱいに詰め込まれたニトログリセリン。

 それにスレッジハンマーを叩き込んだような爆音が訓練所内に響いた。


 @@@


 「大丈夫か?」

 「ああ、クソッ、何とかな…それにしても、ここどこだよ」

 「俺に聞かんでくれ」

 テッシンとギデオンがいるのは、水道の流れる謎の場所。

 そして、その上は、訓練所だった。


 「何じゃこりゃあ…」

 アベルの胃が、静かに痛み出した。 


 

 

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